--SaaSは、高い収益を上げていくことができるのか?

SaaS型の事業構造は、アプリケーションは、電力、あるいは電話などの通信サービスと同様に、使用した分だけに課金されるユーティリティサービスのようになっていく。これは企業としては、強力な事業モデルになりうる。当社では実際に利益が出ている。セールスフォースは、SaaS分野では、パイオニアとして成長してきており、売上高は全世界で10億ドル規模になろうとしている。事業としての将来性は結果が物語っている。セールスフォースは100%、SaaS/PaaSに特化した唯一のベンダーであり、真の意味での、SaaS/PaaSベンダーはセールスフォースだけだが、他社も、SaaSモデルへの着手を検討せざるを得なくなっている事実は、我々の方向性の正しさを証明していると考えている。

--今後、コンピュータソフトはすべてSaaS型に変わっていくのか?

従来の、伝統的なソフトウェアベンダーの短所は、伝統的な収入モデルに依存していることだ。技術革新とのジレンマは長期間、払拭されることはないだろう。技術の形式は、次の世代のものが出てくると、古いものは置き換えられる。たとえば、パソコンが台頭してきたために、ミニコンなどは取って代わられ消え去っている。いまでは、これまでの形態のソフトウェアの終焉が語られるようになっている。古い様式にこだわっていない、我々は、SaaSそのものの革新が起こっても、常に先行していくことができる。

--今後、SaaSを成長させていくために必要なことは何か?

SaaS/PaaSの普及の障害となっているのは、市場からの理解が不足していることだ。SaaSなどということは聞いたことがないという人々も大勢いる。イベントを開催したり、企業には試用してもらうなど、いっそうの啓蒙活動が必要になる。SaaS/PaaSへの認識を高めていけなければならない。クラウドを推進している他社との提携も重要だ。Googleとのパートナーシップでは、共同で開発やマーケティングをしていくことにあいているが、それは、市場の活性化になると信じている。SaaS/PaaSの啓蒙活動で最重要なことは、顧客からのさまざまな要望やアイディアに応えた結果を我々の事業に盛り込み、あらゆる顧客を成功へと導くことだ。エンドユーザーは、満足度が高くなると、そのことを他社にも伝えてくれる。