日本モータースポーツ推進機構は23日、国内最大級の4輪モータースポーツ無料イベント「モータースポーツ ジャパン2008 フェスティバル イン お台場」(以下、モータースポーツ ジャパン)の開催記者発表会を実施した。第3回となる今年は、10月最初の週末となる4・5日に開催される。開催時刻は両日とも9時から17時までだが、現在4日(土)の方は終了時刻を延長できるよう協議しているということだ。会場は前2回と同じで、お台場青海地区NOP街区。お台場のモータースポーツイベントではお馴染みの、ゆりかもめの船の科学館駅前にある臨時駐車場を使用する形だ。
モータースポーツ ジャパンのコンセプトだが、開催目的は「日本のモータースポーツ文化の発展と継承」。メインテーマは「ニッポンには、モータースポーツがある」だ。50年もの歴史を有する日本のモータースポーツを文化として広く一般社会に知らしめ、さらなる発展を目指すとともに、モータースポーツという文化を次世代へと継承していくこととしている。この主旨を世に幅広く、かつ深く浸透させていくための条件として、最低でも5年間以上、10年間程度の継続開催を前提にモータースポーツ ジャパンは2006年からスタート。今年は3年目となる。また、入場無料で来場できることも世間へのアピールのひとつとしており、今年も走行デモ用の特別観客席などの一部を除いて入場無料で楽しめる。
エリアの構成は昨年とほぼ同じで、NOP街区は中央で区切られ、広い東京国際交流館側に走行エリア、その周囲に企画展示・出展エリアがある。ホテル グランパシフィック LE DAIBA側にトークショーを行うステージエリアや、協賛出展企業のブースエリア、アトラクション系のプロモーションエリアなどがある。
今年企画されているプランとしては、まず3週間後の25・26日に、岡山国際サーキットで開催される世界ツーリングカー選手権(WTCC)の第21&22ラウンド「Race of JAPAN」への流れとして、「ツーリングカーレースの現在、過去、未来」がある。さまざまな時代のツーリングカーを展示し、日本の自動車メーカーのツーリングカーレースへの関わりをアピールしていく。また、さらにその1週間後の月末31日から11月2日まで、北海道の札幌を中心とした道央地区で開催される世界ラリー選手権(WRC)第14戦「ラリージャパン」につながる企画も予定。
そして目玉となりそうなのが、2009年シーズンからシャシーを一新するフォーミュラ・ニッポン。現在開発中の2009年型シャシー(シェイクダウンテストはアメリカで8月5日に予定)を展示。デモ走行についても現在交渉中ということだ。09シャシーは、富士スピードウェイで8月18・19日に第1回先行開発テストが実施され、8月31日(第7戦の決勝日)にもデモ走行が行なわれる予定だが、無料イベントでの展示は今のところモータースポーツ ジャパンが初。フロントとリアのウィング、ボディ後部など、F1とはまたひと味違ったデザインが特徴のシャシーに注目が集まりそうだ。フォーミュラ・ニッポンと並ぶ国内最高峰のSUPER GTも、展示やデモ走行などにさらに力を入れる模様。
昨年も、写真の「スバル インプレッサ」を始め、ラリーマシンが複数台デモ走行を実施 |
フォーミュラ・ニッポンの2009年型シャシーの風洞モデル。現在、開発が進んでいる |
SUPER GTもさらに展示に力を入れるという。デモ走行の台数も多くなると予想される |
また、昨年は各種レースマシンが公道を走った交通安全パレードランも、今年はさらに力を入れ、台数や車種を昨年以上に増やすという。現在、決まっている目玉車輌は、1886年製の世界初のガソリン自動車「ベンツ・パテント・モーターカー」(レプリカ車)。同車による、日本発の公道走行が予定されている。パレードの日時は4日の午前中で、コースはお台場地区を回った後、イベント会場がゴールとなる予定だ。
さらに、ファミリーでの来場が増えていることから、キッズ向けのイベントをさらに充実させていく。ドライバーやチーム監督らによるトークショーもさらに増やし、常時行われているスケジュールを組むそうだ。そのほか、モータースポーツにおけるエコロジーへの取り組みや、未来のクルマなども広く伝えていく予定だ。
ちなみに、昨年から名誉会長に就任しているのが、東京都知事の石原慎太郎氏。会見の場に来場することはなかったが、モータースポーツ ジャパンを応援するメッセージが読み上げられた。また、今年もスーパーバイザーとして活動する近藤真彦氏も来場できなかったが、ビデオメッセージで登場。「1回目よりも2回目、2回目よりも3回目、ますます盛り上げていきたいと思います」とし、サーキットにいつも来ている人もそうでない人も、モータースポーツの匂いそのものを実際に感じてほしいと力強く語った。
そのほか、イベントについてではないが、過去2回のイベントを運営してきた任意団体モータースポーツ ジャパン運営事務局が、特定非営利活動(NPO)法人日本モータースポーツ推進機構として法人化したことも合わせて発表された。メンバーは、理事長が日置和夫氏、副理事長が石川真禧照氏、理事兼事務局長が高橋二朗氏、監事が三好正巳氏、事務局次長が横山欣司氏となっている。会員としては、スーパーバイザーの近藤真彦氏、かつてのレーサーで現在はチーム監督を務める高橋国光氏、社団法人日本自動車連盟モータースポーツ部部長の樋山良毅氏らが名を連ねている。
日本モータースポーツ推進機構理事長の日置和夫氏 |
同副理事長の石川真禧照氏 |
同理事兼事務局長の高橋二朗氏 |
10月は、11・12日がF1日本グランプリ、25・26日がWTCCのRace of JAPAN、31日から11月2日まではWRCのラリージャパンと世界選手権が3回も行なわれる(1週間前の9月27・28日には、MotoGPの日本グランプリもある)。サーキットや開催地まで実際に観に行く人もそうでない人も、まずはモータースポーツ ジャパンに足を運んで、モータースポーツにどっぷりと浸かってみてほしい。