"オープン"が大きな鍵

調査レポートによると、従業員は「オープンな文化」と「上司や上層マネージャーとのオープンなコミュニケーション」を高く評価しているという。

回答には、「直接の上司はもちろん、上層部のマネージャーでも、アドバイスやフィードバックの求めに対してオープンに対応してくれる」、「上司や上層部のマネージャーが、情報を隠し立てせずに、企業のゴールや結果を共有してくれている」といった意見があったという。そして、同レポートでは、「風通しの良い社風が大きな判断材料の1つになっているようだ」とまとめている。特にオランダMicrosoftの社員は、10人のうち9人までが「ちゃんとした質問に対しては、どんな質問でも正直にきっちりと答えてくれる」と回答しており、マネージャー層が誠実であることを高く評価しているようだ。

オランダのMicrosoftでは、マネージャーとテクノロジーの専門家に自由にアクセスできるようになっているという。席を訪れるのはもちろんのこと、メールを送ったり、電話をしたり、インスタントメッセージを送ったりすることも気軽に行え、マネージャーの予定にアクセスし、予定が空いているかどうかを確認できる仕組みも用意されているようだ。「こんなに、オープンな気風の企業には勤めたことがない」と感嘆する声も挙がっていた。

なお、Microsoftでは、給与モデルやボーナスプランもオープンにされているという。従業員は、肩書きや性別に関係なくボーナスやストックオプションが得られる仕組みで、待遇面をオープンにすることにより、フェアネスが強調される結果になっている。

調査を担当したGreat Place to Workの部長は、「"正直な双方向コミュニケーション"は従業員の信頼を維持するうえで一番大事である」とコメント。「企業が成長しているときには、利益率を共有し、従業員の士気を高めることもたやすくできる。しかし、経済状況が悪く、企業が下降していているときに従業員の信頼を維持するのは容易ではない。そのようなときにこそ、事実を共有し、コミュニケーションを続け、トップからのアクセスがしやすいようにしておくことが大事である」と結んでいる。トップ50にランキングされた企業のうち10%は過去1年の間にリストラを行っており、リストラと従業員の信頼度とは、正比例しないこともデータとして示されている。

最新技術により新たな仕事環境を構築

Microsoftが高い従業員満足度を得た理由は、上記のコミュニケーションのオープン化だけではない。従業員が望む新しい仕事の仕方を企業側が受け入れていることも一因のようだ。

例えば、同社では、「職場で楽しむ(Fun)」ということを大事にしている。毎月第2金曜日に「Happy Hour」が設けられており、フォーマルな会議の後、皆が楽しく飲んだり食べたりすることになっているという。また、職場にはゲームルームがあり、Xboxが備え付けられている。希望すれば、借りて家に持って帰ることも可能だ。

また、Microsoftは、ワークライフ向上のために独自の技術革新を行っているそうだ。オランダではすでに「The New World of Work」と名付けた試験的な取り組みを開始。この取り組みによって、従業員は企業のITとモバイル機器を活用し、ワークライフをより柔軟に設計しなおすことができる。