2008年WRC第14戦・PWRC第7戦となるラリージャパン開催まであと100日となった7月22日、大会概要を説明する記者発表会が都内で行われた。大会会長をはじめとする関係者挨拶や、環境大臣の挨拶、競技コースについての説明が行われたほか、会場にはラリーカーが展示され、注目のドライバーも会場に"参戦"した。

三菱 ランサーエボリューションX

スバル インプレッサWRC2008

スズキ SX4 WRC

同大会会長の出井伸之氏は、今年のラリージャパンの特徴として開催地が道央へ移ったことや、スズキのワークス参戦・スバルの新型車投入などを挙げた上で「これらの効果によって、WRCをより一般に"近い"ものにしてほしい」と今大会に対する期待を述べた。また環境大臣・自民党モータースポーツ振興議員連盟事務局長である鴨下一郎氏は、自身もラリーを行っていた経験から、ラリーが国民的イベントになるよう支援をしたいと考えを述べ、一方で環境大臣として「より一層、環境とモータースポーツが調和するよう配慮をお願いしたい」とした。

パイオニア・カロッツェリア ラリージャパン 大会会長 出井伸之氏

環境大臣・自民党モータースポーツ振興議員連盟事務局長 鴨下一郎氏

競技コースとチケット概要について
続いて、同大会組織委員会の永田氏より競技コースと観戦チケットの概要について説明が行われた。昨年までの大会では、サービスパークからの距離が半径90km以内(足寄・陸別方面)および半径60km以内(新得方面)のエリアに競技コースがレイアウトされていたが、今回はDay1の夕張方面が半径50km以内、Day2・Day3の千歳・苫小牧・支笏方面が半径40km以内と、近い位置に競技エリアがある。さらに、リエゾンの多くが高速道路を使用するため、距離・時間ともコンパクトになっている。開催地が移ったことで、全て過去のラリージャパンでは使用されていない競技コースを使用することとなるのだが、この地域は大会のスポーティングを担当するAGMSC(AGメンバーズスポーツクラブ北海道)が約30年に渡って競技を行ってきており、十勝以上に知り尽くした地域。コースは理想的なスピード域を確保しながら安全性が高く、観戦ポイントも特徴ある場所が多いと説明された。なお、現時点で発表されている内容については変更になる可能性もあると付け加えられた。

競技コースマップ。赤いカコミ文字のあるSSに、観戦エリアが設けられる

札幌ドームのレイアウト。初めてサービスパーク・SSS・ラリーHQが1ヵ所に設置される

【Day1】
競技初日のコースは夕張方面に設定される。道央道岩見沢ICを降りて夕張方面に向かい、4本の林道コースを走行した後、道央道三笠ICから札幌ドームへ戻る。午後はサービスを挟んで同じコースを走り、ドームへ戻ってSSSを2回走行する。

観戦コースとなるのは夕張市南部のYUPARO(ユーパロ)と、三笠市と美唄市の間に位置するPIPAOI(ピパオイ)。YUPAROはSS2と6で使用される11.10kmのコース。アップダウンのある林道ステージとなっている。札幌からの観戦に向かうなら道央道から千歳恵庭JCT経由で道東道も利用できる。PIPAOIはSS4・SS8が行われるコースで、5.74kmの開けた林道ステージ。こちらは近隣に専用駐車場が用意され、観戦者はシャトルバスに乗って観戦エリアまで移動する形となる。札幌ドームのSSSは、DAY1の観戦券でSS9・SS10の2回を観戦可能。今回はすべて指定席となっており、野球の場合でいうバックネット裏あたりがロイヤルシートとプレミアムシート、下から1~43段目が指定席A、それより上が指定席Bとなるようだ。これはDAY2・DAY3も同様となっている。

札幌ドームSSSのコース図。ここはターマック(舗装コース)となる模様

【DAY2】
DAY2のステージは南の支笏・苫小牧方面。新千歳特設コースとなるIMERU(イメル)、今大会の最長コースとなる33.71kmのKAMUYCEP(カムイセップ)など4本を各2回走り、DAY1と同様にSSSが2本設定される。新千歳特設コースは、「新千歳モーターランド」のダートコースとオフロードコースを繋げて設営される観戦ステージ。十勝開催における陸別と同様に、入れ替えなしの1日観戦券で2ステージの観戦が可能だ。空港からは車なら10分程度と近く、駐車場は無料で利用できる。

これ以外の観戦コースはSS12・16のNIKARA(ニカラ)とSS14・18のKINA(キナ)。NIKARAは道央道苫小牧ICの北側(支笏湖の南側)に設置される31.79kmのコースで、ほぼ平坦なエリアとなっている。KINAは支笏湖西側で、札幌市からは最も近い林道コースとなる。観戦エリアはフィニッシュ近くの牧場内に予定されているというから、見晴らしは良さそうだ。いずれのコースも観戦エリアへの移動はシャトルバスを利用する形となる。

【DAY3】
最終日は同じく支笏・苫小牧方面でIMERUを含むSS4本を走行、札幌ドームに戻ってSSSとサービスを行い、再度SS4本を走行するという予定になっている。この日の観戦コースはSS21と26が行われるNIDOM(ニドム)および新千歳のIMERU。NIDOMは高速で開けた3.44kmのコース。苫小牧東ICからほど近い場所にあり移動には便利だが、こちらも観戦エリアまではシャトルバスを利用する形となる。バスが競技コース内を走行するため、入退場の時間に制限があるので注意したい。大会最終の競技となるSS29は新千歳のIMERUで行われる。

活躍が期待される日本人ドライバー、「ぜひ観に来て!」
発表会の最後に、同大会注目の日本人ドライバーが登場。プロダクションカー世界ラリー選手権(PWRC)に参戦している新井敏弘選手と、ラリージャパンに三菱自動車ディーラーチームから参戦が決定した田口勝彦選手だ。ランサーエボリューションXがWRCを走るのはこれが初になるという。

新井選手(右)と田口選手(左)。今月行われたラリー北海道(http://www.rally-hokkaido.com/)では総合1位と2位でポディウムを飾った2人

今回のラリージャパンに対し新井選手は「ドームで走ることにワクワクしている。多くの人に観てもらえれば」、田口選手は「(ドーム開催が)歴史に残る大会だと思う。期待に添える走りをしたい」と述べ、ドームでのSSSに対する意気込みを示した。また、ファンへのメッセージとして「観に来て頂けたら一番いい。ラリーすごいな! というのを伝えたい」(田口)、「林道コースの方にも行って、ぜひ走りを観てほしい」(新井)と初の道央開催となる大会をアピールした。

チケット情報
林道SSおよび新千歳特設コース観戦チケットの発売は8月上旬からの予定。競技日程別で、林道SSは午前/午後のステージ別に入れ替え制となっている。チケット取り扱いはローソンチケット、チケットぴあ、eプラス、JR北海道など。なお、札幌ドームスーパーSS観戦チケットは7月26日(土)より発売される。

林道SSチケット
日程 場所 先頭車スタート時刻 前売り(大人/子供) 当日(大人/子供) 付記
DAY1
10/31(金)
SS2 YUPARO1 9:41 \5,800/\1,800 \7,000/\3,000  
SS6 YUPARO2 14:58 \5,800/\1,800 \7,000/\3,000  
SS4 PIPAOI1 11:22 \7,300/\1,800 \8,500/\3000 シャトルバス付き(子供無料)
SS8 PIPAOI2 16:39 \7,300/\1,800 \8,500/\3000 シャトルバス付き(子供無料)
DAY2
11/1(土)
SS12 NIKARA1 9:21 \7,300/\1,800 \8,500/\3000 シャトルバス付き(子供無料)
SS16 NIKARA2 14:43 \7,300/\1,800 \8,500/\3000 シャトルバス付き(子供無料)
SS14 KINA1 11:32 \7,300/\1,800 \8,500/\3000 シャトルバス付き(子供無料)
SS18 KINA2 16:54 \7,300/\1,800 \8,500/\3000 シャトルバス付き(子供無料)
DAY3
11/2日
SS21 NIDOM1 7:08 \7,300/\1,800 \8,500/\3000 シャトルバス付き(子供無料)
※入退場時間制限あり
SS26 NIDOM2 11:48 \7,300/\1,800 \8,500/\3000 シャトルバス付き(子供無料)
※入退場時間制限あり


新千歳特設コースチケット
日程 場所 先頭車スタート時刻 前売り(大人/子供) 当日(大人/子供) 付記
DAY2
11/1(土)
SS11/SS15
IMERU
8:28/13:50 \7,800/\1,800 \9,000/\3,000 1日券
入れ替え無し
DAY3
11/2(日)
SS24/SS29
IMERU
8:57/13:37 \7,800/\1,800 \9,000/\3,000 1日券
入れ替え無し

札幌ドーム観戦チケットの詳細は公式サイトにて。