連休最終日の21日(月)、秋葉原のカフェソラーレにてイベント「Vista de デジタルライフ ~自作PCで、部屋で地デジを観よう!撮ろう!楽しもう!~」が開催された。ダビング10が開始され、注目も高まる地上デジタル(地デジ)放送。メーカー担当者の話を直接聞けるということで、会場は大勢の人で賑わった。
当初、PC向けでは本体に組み込んだ形でしか登場していなかった地デジチューナーであるが(ワンセグは除く)、拡張カードや外付け製品の単体販売が解禁され、自作PCユーザーにも地デジの門戸が開かれた。ゲストスピーカーとして、アイ・オー・データ機器、バッファロー、ピクセラから担当者が登壇、それぞれ自社の製品をアピールした。
アイ・オーは最大8ch録画
まずアイ・オー・データ機器は、これまでにPCI接続の「GV-MVP/HX」、PCI Express x1接続の「GV-MVP/HS」を発売、USB接続の「GV-MVP/HZ」を発表している(7月下旬出荷予定)。初の外付け型となるGV-MVP/HZについて、同社の加藤氏は「高品質」「高画質」「高機能」の3点でアピールした。
同社の場合、特に面白いのは8チャンネル同時録画に対応することだ。番組表を調べて、見たい番組の録画予約をセットするのではなく、とりあえず全部撮っておいて、あとから番組を選んで観る、という使い方が可能になるのがこの機能。現時点ではまだβ版だが、自由に内蔵型・外付け型を組み合わせることができるようになるとのこと。
必要な台数を用意すれば、最大8chを同時に録画可能。ただしその場合でも同時に視聴できるのは1chのみだ |
「やる」「やらない」は別にしても、全番組同時録画というのは面白い。放送というより、VoDのような感覚か? |
この機能を使うときに、気になるのはやはりHDDの容量だろう。録画ファイルは「1時間で7GB程度になる」(加藤氏)ということなので、8ch分だと1時間で56GB。それが24時間になるともう1.3TBだ。最低でも2TB程度は用意したいところだが、帰宅後に、その日の番組を何でも観ることができるというのは魅力的だ。
バッファローはトランスコード
次はバッファロー。同社の製品ラインナップは、USB接続の「DT-H30/U2」「DT-H50/U2」、PCI接続の「DT-H50/PCI」、PCI Express x1接続の「DT-H50/PCIE」といった4モデル。エントリー向けのDT-H30/U2のみ、ブルーレイムーブやホームネットワーク配信に対応しないという違いがある。
製品の特徴として、同社の中村氏により紹介されたのはトランスコード機能。地デジは高画質だが、その分、CPUへの負荷は重い。しかし同社の製品はViXS製チップの搭載によりハードウェアで画質を変換、DVD相当のSP/LPモードならAtomでも問題なく動作するという。またさらに解像度を落としたLLPモードであれば、Pentium M 1.1GHzでも大丈夫。
今後、高画質で圧縮率の高いH.264に対応するチップも量産されるということで、同社は搭載モデルを予定。発売時期は明言されなかったものの、上位機種の「H70」シリーズとなるようだ。またWチューナーモデルの開発も進められているとのこと。
ピクセラはEPG完全追従
50音順ということで、最後の登場となったピクセラ。同社の大寺氏は、まず製品ラインナップを紹介した。同社の製品は全てPCI接続の内蔵型だが、スタンダードな「PIX-DT050-PP0」に、BS/CSデジタルにも対応した「PIX-DT012-PP0」、アナログチューナーも搭載した「PIX-DA022-PP0」と、特徴的なモデルが用意されている。
大寺氏は同社製品について、ハードウェアだけでなくて、ソフトウェアも日本で独自に開発していることをアピール。「ピクセラはEPGに完全追従する。例えば野球が30分延長して、その後さらに10分延びても、ピクセラは追従できる。またNHKの高校野球のように、チャンネルが変わってしまっても追従可能」というのが利点だ。
またチューナーが変わってしまうと、それまでHDDに録画したデータが全て観られなくなってしまうが、「交換修理の際にはIDを張り替えて、録画したデータが無駄にならないようにする」と、安心の修理体制についてもアピールした。
自作PCのリファレンスモデル?
この日の司会はライターの高橋敏也氏が務めていたのだが、高橋氏は各社の製品を搭載したPCを3台自作、会場に持ち込んで紹介した。
「今はHDDも安い。500GBが6,000円、1TBが13,000円という場合もある。HDDが足りなくなったらガンガン追加すればいい、それができるのがPCの利点」と高橋氏。各社の製品を見て、「リビングPCというものがようやく日本でもスタートするのではないか」と期待を述べた。