米Microsoftは7月17日(現地時間)、同社会計年度で2008年第4四半期(4-6月期)決算を発表した。売上は158億4000万ドルで前年同期比18%のアップ、純利益は42億9700万ドルで42%アップだった。サーバ関連新製品のローンチが集中した年でもあり、サーバ&ツール部門を中心に好調な業績を収めて2008年1月に上方修正した決算予測の水準をほぼ達成した。だが一方でXbox 360を扱うエンターテイメント&デバイス部門など一部で予測を下回った。また今後の見通しの弱さが嫌気され、同社の株価が時間外取引で下落、ニューヨーク時間で同日午後7時をまわった段階で6%超のマイナスとなった。
2008年1月に同社は通年見通しを上方修正し、売上目標値を599~605億ドル、調整済みEPSを1.85~1.88ドルの範囲としていた。今回発表された通年決算は、売上が604億2000万ドル、純利益が176億8100万ドル、調整済みEPSが1.87ドルとなっており、ほぼ目標の上値を達成したことになる。「力強い業績で第4四半期を終えることができた。売上成長率は18%であり、EPSの上昇ペースも大きい。現在経済情勢は厳しいものの、2008年度を乗り切ったペースを基に2009年度も売上と収益で2桁成長を達成する」と米Microsoft CFOのChris Liddell氏はコメントしている。
だが一方で今後の見通しには厳しい評価もある。米Wall Street Journal(オンライン版)が17日付の記事で紹介した米Edward JonesのアナリストAndy Miedler氏のコメントによれば「コアビジネスはおおむね良好だが、Microsoftは経済情勢の悪影響を受け続けている」という。同氏は、不況ならびに現在進行中の米Yahoo!買収の影響を受けてMicrosoft株価が中期的に落ち込む可能性が高いとみている。実際、Windows VistaやWindows ServerなどのOS/ツール製品は比較的好調な一方で、Microsoft Officeを扱うビジネス部門の売上は当初の予測値を下回っており、エンターテイメント&デバイス部門は営業利益ベースで赤字に陥った。
こうしたMicrosoftを浮上させる1つの鍵がYahoo!買収で、もし成功すれば市場の同社に対する見通しの懸念を払拭させることができ、さらにもう1つの赤字事業であるオンラインサービス部門の成長に一定の目安をつけることが可能になる。