2004年に覚醒剤所持で逮捕・起訴され、3年6カ月の実刑判決を受け、服役していた元・タレントの田代まさし氏が6月26日、栃木・黒羽刑務所を出所。16日、東京・阿佐ヶ谷のロフトAで出所記者会見を行った。

出所会見を行った田代まさし氏

青のサングラスをかけ、ベージュのハンチング帽を被り、アロハシャツ姿で登場した田代氏は、冒頭で「こんな私のためにお集まりいただき、ありがとうございます」と挨拶。「シャバの生活に慣れていないせいか体調もすぐれません。皆さんには忘れられているのかと思っていましたが、こんな数のカメラを向けられるのも久しぶりなので緊張してます」と話した。

服役は「辛いものだった」という田代氏は「罪のこと、家族のこと、応援してくれた方のことを考えると眠れないんです。それに、家庭が崩壊した(服役中に離婚)ことで、もういいや死んでもいいと思ったことも」と告白。さらに「刑務所では1日2時間だけテレビが見られるんです。たまたま、ラッツ&スターとゴスペラーズがコラボで一緒に歌っているのを見て、『オレは何でここにいるんだろう…何で向こう側にいないんだろう』ってショックで落ちました」とも語った。その後は、睡眠薬の服用や長男からの励ましもあり、乗り越えられたという。

会見を企画した月刊「創」の篠田博之編集長

また、記者から出た「今回の件をダジャレで表現すると?」という質問には、少し頬を緩ませながらも「また反省してないんじゃないかって言われちゃうんで、それは……。とにかく、ありのままの僕を見ていただきたいです」と表情を引き締めた。

現在は、妹夫婦の家に身を寄せている田代氏だが、今後については「全くの白紙です。今までの経験や自信もありますが、(芸能界復帰は)周囲の方々が決めること。今後のことはゆっくりと考えていきたいです」と芸能界復帰を否定した。今は収入がないため、貯金を切り崩して生活しているという。

広くはない会場には報道陣が50人以上集まった

服役中は、薬物依存者のリハビリ団体の講習を志願して受けていたという田代氏は「もう2度と刑務所には戻りたくないです。今は(薬物を)止められる自信がありますから。3年半服役した経験者として、僕なりの言葉で薬物について何か伝えられれば」と抱負を語った。

彼の第2の人生がスタートした。