ロジクールは手のひらサイズのフルキーボードにクリックパッドを搭載した「diNovo Mini DN-500」を発売した。Windows XP/Vistaに対応するほか、背面のディップスイッチを切り替えるとPLAYSTATION 3(以下、PS3)にも対応できる。文字入力もできるAVパソコンのリモコンという位置付けのようだ。その使用感をレポートする。
PCのリモコンとして便利
PCの用途はデスクワークに限らない。とくにWindows XP にMedia Center Editionが登場して以降、大手PCメーカーからは大型ワイド液晶ディスプレイをセットにしたPCが続々と登場した。そうなるとPCに向き合う姿勢が変わる。オフィスソフトを使うような姿勢ではなく、リクライニングチェアを倒し、あるいはソファやカーペットに座り、くつろいで画面を眺めたい。
そんなときにキーボードやマウスを抱えて操作するなんて面倒だ。ワイヤレスタイプならまだしも、ケーブルをぐいっと延ばすなんてことは避けたい。「diNovo Mini」はそんな時のリモコンとして便利だ。Media Center Editionは専用リモコンが付属しているけれど、Media Center Editionを搭載せず、独自にAV機能を搭載した家電PCには付属していないし、自作PCにはMedia Center Editionを搭載できない。だからPC用AVリモコンという需要はあるというわけだ。
レシーバは小さく、USBコネクタひとつ分に収まる厚さ |
レシーバとの通信はBluetooth 2.0を採用しており、最大10メートルで遠隔操作できる。バッテリーはフル充電で1カ月間使用可能。万が一バッテリー切れを起こしても、10分間の充電で1日分の動作が可能だ(4時間でフル充電になる)。
キートップは[A]~[Z]の英字キーを中心とし、その上に数字キーが並ぶ。英字キーボードとしての体裁は整っている。薄型のパッドタイプのため、キーストロークは浅いが、携帯電話の数字ボタンのようにカチカチというクリック感があるので"押した"という実感がある。何気ないことだが、他の家電リモコン系の文字キーにはクリック感のないものが多く、押した感触がなかったり、続けて文字を押したときに何回押したか分からないものもある。その点、このキーの感触は良い。
小さいながらも[Ctrl]キーや[Alt]キーを装備しているため、ショートカットキーを使ったカットアンドペーストやプログラムの起動もできる。メディアリモコンとして使う用途からすると文字キーはあまり使わないとはいえ、YouTubeやニコニコ動画でコメントしたりという用途もある。ちょっとだけ文字を打ちたい、というときに、デスクトップのキーボードまで身体を動かさなくて済むのはいい。
数字キーの上、一般のキーボードではファンクションキーとなる位置にはメディア操作のホットキーがある。左から[音量操作]、[再生/停止]、[巻き戻し]、[早送り]の順で、動画や音楽の鑑賞に必要なボタンが揃っている。左端の[PAGE+]ボタン、[PAGE-]ボタンはMedia Center Editionにおいてテレビチャンネルの切り替えを行う。また、[Page Up]キー、[Page Down]キーとして使い、ブラウザのスクロールができる。Gyaoなどの動画配信サイトはメニューページが縦長なので、このスクロール機能は番組選択時に便利だ。