三菱自動車は、ダカールラリー参加用の新型競技車両「レーシング ランサー」(コードネーム:MRX09)を開発したと発表した。同社では、長年パジェロを使用して1983年より25大会連続で参戦してきたが、今後のクロスカントリーラリー活動ではディーゼルエンジンの技術開発に主眼を置くとし、参加車両をディーゼルエンジン搭載の「ランサー」(日本名:ギャランフォルティス)に引き継ぐという。

レーシング ランサー

「レーシング ランサー」はFIAグループT1(改造クロスカントリーラリーカー)規定に則り、2010年より施行される予定の新しいレギュレーションにも対応して開発したスーパープロダクション使用のクロスカントリーラリーカー。これまでに、通算12勝を挙げた「パジェロ」「パジェロエボリューション」で培ったノウハウや、CAE解析を駆使した新設計のマルチチューブラーフレームに、3Lディーゼルターボエンジンを搭載、今夏以降に欧州で発売される「ランサー スポーツバック」をモチーフとしたカーボン製ボディを搭載する。

ダカールラリーで培われるディーゼル技術は、今後市販車に搭載されるクリーンディーゼルエンジンにフィードバックされる。同様に4WD技術も、市販車に採用されているさまざまな方式の4WDシステムに、それぞれ最適化された上で取り入れていくという。

主要諸元(暫定)
全長×全幅 4,475mm×1,990mm
ホイールベース×トレッド(前/後) 2,900mm×1,750mm/1,750mm
車両重量 1,900kg
エンジン 2.997L V型6気筒ディーゼルターボ
最高出力、最大トルク 190kW(260ps)以上、650Nm(66.3kgfm)以上
変速機 リカルド社製5速シーケンシャルマニュアル
駆動方式 差動制限装置付センターデフ式フルタイム4WD