2度目のiPhone発売を迎える米国では、昨年のような長い行列は見られず、比較的おだやかな「iPhone 3G」発売になりそうだ。
ニューヨーク市5番街にあるガラスのキューブのApple Storeでは、独立記念日あたりから行列ができはじめ、一時は初代iPhone発売に劣らない騒動になりそうな雰囲気もあった。だが他の都市では発売まで24時間を切った時点でも、長い行列は見られない。カリフォルニア州サンフランシスコ市にあるApple Storeのフラッグシップ店では9日夜に行列ができ始めたものの、日本のソフトバンク表参道で発売が開始された頃(米西海岸時間で10日午後3時)に並んでいたのは2グループのみだった。
昨年の初代モデルの販売開始は金曜日の午後6時だった。学生は夏休みに入っていたが、社会人は仕事を1日休まないと購入できそうになかったため、発売当日に休みをとった人が24時間前頃から行列に並び始めた。今年は金曜日の午前8時発売なので、前日の仕事が終わってから並んでも大丈夫という見方が広まっている。そのため行列が伸びるのは11日に日付が変わる頃からと見られている。
また今回が2度目のiPhone発売であるのも影響していると思われる。米国でiPhoneに興味がある人はすでに購入済みだ。iPhone 3Gでは、第1世代に手を出さなかったコンシューマ層がメインターゲットになる。199ドルからの本体価格によって、どれぐらい販売台数を伸ばせるかが注目点となるが、そのような一般的なコンシューマは早くから行列に並んでまで購入しようとはしない。米国におけるiPhone 3Gの売れ行きは、学校の新年度シーズン向け商戦から年末商戦までの長めのスパンで評価する必要がありそうだ。
長い行列が見られないとはいえ、iPhoneの話題性は昨年に勝るとも劣らない。初代モデルではサードパーティ製アプリケーションのサポートがWebアプリのみだったため、iPhone 3Gという端末よりもiPhone 2.0によってもたらされる変化への期待が大きい。