14日までの期間限定で、六本木ヒルズのイベントスペースumuにて鈴鹿8時間耐久ロードレース第30回記念大会特別無料イベント「"コカ・コーラ ゼロ"鈴鹿8耐 in 六本木ヒルズ」がスタートした。10日には、昨年の第30回大会でチームとして27年ぶりの通算3勝目を上げた「ヨシムラ スズキ with JOMO」(34号車)の秋吉耕佑選手、チーム「KANSAI YAMAMOTO & angela」(88号車)の発表を行う国際的デザイナーの山本寛斎氏、そのライダーである石川朋之選手、ライディングスポーツ誌の青木淳編集長が出席しての記者発表兼トークショーが開催された。司会は、イベントスペースumuに隣接するテレビ朝日の堂真理子アナウンサーが担当した。
まずは、"コカ・コーラ ゼロ"サーキットクイーンらをバックに従え、ステージで秋吉選手と青木編集長によるトークショーが、堂アナウンサーの司会でスタート。秋吉選手は、連覇がかかっていることについて訪ねられると、「プレッシャーがありますね」と正直な心境を告白した。秋吉選手がパートナーの加賀山就臣選手とともに所属するヨシムラ スズキ with JOMOは、1978年の第1回大会から8耐に参加しているプライベーターの雄。そして、チームのヨシムラが、ポップ吉村(吉村秀雄)氏から、その子息の吉村不二雄氏(現ヨシムラジャパン代表取締役社長)、そしてポップ吉村氏の孫(娘さんの子息)の加藤洋平氏(昨年からチーム監督に就任)と親子3代に渡って8耐に挑戦し続けている歴史に触れられると、「うまく期待に応えられてよかった」とも語った。
ちなみに、7月は各チーム8耐に備えてテスト月間となっており、秋吉選手もテストの連続だという。転倒も経験しているそうで、すでに全身打ち身だらけとか。8耐は「自分との闘い」という秋吉選手だが、すでに闘いは始まっているということのようである。最後にファンに対し、「ディフェンディングチャンピオンとして、表彰台に上がれるようにがんばる」とコメントした。
そして、もうひとりの主役の登場ということで、満を持してステージに現れたのが、山本寛斎氏。洞爺湖サミットの会議場のデザイン、9月14日まで開催されているスペイン・サラゴサ国際博覧会で今月21日のジャパンデーイベントで行なわれる「いのちの祝祭~天・地・水~」のプロデュースなど、超多忙な合間を縫っての登場である。「この天下の寛斎さんが」、「まだまだ才能が余り余っている」など、ワールドクラスのスーパーデザイナーならではのエネルギッシュな発言の数々が飛び出し、さすがは寛斎氏、という感だった。
自らがデザインした88号車のイメージは「和」。洞爺湖サミットでの警察官や自衛隊員たちの一致団結した素晴らしい努力などを目の当たりにして、ひとつのことに対してテンションを高めに高めて集中できるという、日本人の才能の豊かさにいたく感動したそうで、「スズキ GSX-R1000」にも日本の和を施したというわけである。デザインコンセプトはひと言で表すと、「風」だそうである。白地に黒い水滴が流れたようなデザインとなっており、水墨画っぽいイメージだ。合わせて登場した石川選手のライディングスーツも白地に黒のデザインとなっている。石川選手は緊張感が非常にあるということだが、「デザインに負けない走りで、予選も決勝もがんばります」とコメントした。
また、報道陣の目を引きまくったのが、常識をぶち壊す、寛斎氏デザインのコスチュームをまとったレースクイーンたち。全身黒でほんのわずかに暗い赤が使われているのだが、戦国武将のイメージがすごい。角付きの兜風のかぶり物に、スパイク付きの肩当てや腕当て、手甲など。真夏の鈴鹿で8時間もその姿で暑くないのか心配だが、意外と涼しいとか。"コカ・コーラ ゼロ" サーキットクイーンらと並ぶと、その異彩ぶりが際だっていた。
なお今回のイベントでは、Tシャツや帽子、マグカップ、DVD鈴鹿8耐関連のグッズが販売されているほか、往年のマシンも展示。30~40代のバイクファン・8耐ファンにたまらなく懐かしい、平忠彦氏が1985年に駆ったTECH21カラーの21号車「ヤマハ FZR750」などを見られる。また、過去30回の大会の名場面をパネルにした写真展示コーナーなども。さらに、激辛8耐カレーも食すことができる。辛さには1~8耐の8段階があり、それぞれ制限時間内に食すれば無料となり、プレゼントももらえる。ちなみに最辛の「8耐」は、殺人的とか? バイクファンおよび8耐ファン(カレーファンも)は、この週末にぜひ六本木まで足を運んでみよう。