都内ホールにて6月28日、声優が参加してのチャリティーイベント「READING FOR THE TIES 2008」が開催された。
チャリティーイベント「READING FOR THE TIES 2008」は、東京ケーブルネットワーク開局20周年記念イベントとして、視覚障害者のスポーツ参加支援を目的に企画されたもの。初開催となった今回は、12人の声優が参加。3,000人近くの観客を前に、朗読劇とライブが行わたほか、視覚障害者と晴眼者が一緒になってプレイできるスポーツや、点字ブロックの重要性なども、映像で紹介された。
まず行われたのは『ははきぎの君たちへ』と題された朗読劇。これは古典『源氏物語』から、男性が女性について語り合った一節「雨夜の品定め」を、現代風にアレンジしたというもの。キャストには、源光役を神谷浩史、中将役を小西克幸、左頭役を関智一、藤式部丞役を杉田智和が務めるという、人気声優揃い踏みとなった。そのストーリー展開はというと、浮気や女性観について語り合うという、なかなか大胆な内容。バッチリのタイミングで繰り広げられるちょっと過激な掛け合いに、会場の大半を占めた女性ファンから、黄色い歓声が上がっていた。
『ははきぎの君たちへ』出演者
源 光: 神谷浩史
中将: 小西克幸
左頭: 関智一
藤式部 丞: 杉田智和
続いては、沢口千恵らのユニットBELOVED(ビラビド)と、ゲスト声優によるライブが行われた。ゲストが参加しての1曲目『桜と蕾』にボーカルとして加わったのは、朴ロ美(ロは「王」へんに「路」。以下同)。先ほどの朗読劇の内容を受けて、沢口より「浮気をする男の人はどうですか?」と朴は聞かれると「最低じゃないですか」と、サラリと即答。さらに「浮気している男の人いますか~?」と会場に投げ掛けたりと楽しませてくれた。続いての曲『口説いて…』には、谷山紀章が参加。すると、浮気は許せないという会場の流れを感じてか「僕は真面目です。誠実の化身と言われていますから!」と力説し、会場を沸かせたりも。歌では自身もバンドを持つだけあり、すばらしい歌声を響かせた。
「BELOVED LIVE」出演者
沢口千恵(voice)
石橋優子(vocal)
野上朝生(piano)
野沢香苗(二胡)
浜野律哉(perc)
藤谷一郎(bass)
ゲスト出演: 谷山紀章、朴ロ美
第3部として行われた朗読劇が『紳士同盟†(クロス)より~忘れられない魔女の歌~』。これは『りぼん』で連載された、種村有菜のマンガ『紳士同盟†』に登場する絵本を朗読劇化したもの。村に厄災をもたらすと言われた魔女と、彼女を取り巻く人間の関わりが描かれる。こちらのキャストでも語りを山寺宏一、少年役に朴ロ美、姫君役に小清水亜美、騎士役に浪川大輔、怪物役に関智一など、9人の豪華メンバーが揃った。この朗読劇では、声優としての演技が光る山寺の落ち着いた語りや、浪川と関による騎士と怪物のバトルなど、情景が目に浮かぶような演技に観客の誰もが魅了されていた。
『紳士同盟†(クロス)より~忘れられない魔女の歌~』出演者
語り: 山寺宏一
少年: 朴ロ美
魔女: Luz
義母: 折笠富美子
村人男: 谷山紀章
村人女: 長沢美樹
怪物: 関智一
姫君: 小清水亜美
騎士: 浪川大輔
プログラムが終了したところで、イベントに参加した声優全員が登場。お目当ての声優への歓声が上がるなか、会場を巻き込んでBELOVEDの曲『HELLO HELLO-love with you』の合唱となり、盛り上がりもピークに! 会場がひとつとなり、何度もリピートが続くなか、イベントはフィナーレを迎えた。今回のイベントの模様は、8月20日にDVD(価格6,090円)での発売が予定されている。出演者のスペシャルインタビューを収録予定なので、ぜひチェックしてみてはいかがだろうか。最後に出演者のコメントを、発言順にいくつか紹介しよう。
山寺宏一
チャリティーイベントの第1回目に参加できたというのは、非常にうれしく思います。みなさんも、なにかいろんなことを感じ取って帰っていただければと思います。
関智一
今回勉強させていただき「そうだったんだ」と思うところが沢山ありました。僕も身の回りから、気を付けられることをやっていこうと思います。
朴ロ美
今日はチャリティーイベントということで、私なりの気構えがありました。これから小さなことでもいいから、周りのことに気を配っていこうと思います。みなさんもゴミを拾ってみるなど、そういったところから始めてみてはいかがでしょうか。
折笠富美子
このイベントで、皆さんが考えるきっかけになればと思います。なにも難しくなく、恥ずかしがることではないです。今日知ったことを胸に、少しだけ考えることを大切に過ごしていただければ、幸せだと思います。
谷山紀章
行動を起こすというのは大変なことだと思います。そのなかで、こういったイベントに多くのお客様が足を運んでくださったことに感謝しています。なにかひとつ勇気を持って行動するということを、やってみようかなと思います。