2000年に噴火し、未だ火山性ガスを噴出する三宅島。その三宅島の復興を目的として、石原都知事の提案からスタートしたモーターサイクル系イベントが「チャレンジ三宅島」だ。同イベントは、イギリス・マン島の世界的に有名なバイクレース「マン島TT」を参考にして企画され、昨年からスタートした(安全性の面から、規模はマン島のように島全域というわけにはいかなかった)。第1回が好評だったことから、今年はさらにパワーアップする形で、10月17日(金)から19日(日)までの3日間に実施されることになった。それに先立ち、同イベントや三宅島そのものをさらにアピールしようということで、入場無料のプレイベント「チャレンジ三宅島'08 モーターサイクル フェスティバル in お台場」が、6日お台場NOP街区(青梅臨時駐車場)の特設会場で実施された。主催は、特定非営利活動法人三宅島スポーツ振興会および三宅村。東京都が支援を行い、石原都知事が名誉会長を務めている。
今年の合い言葉は、「WE RIDE」。まさに、ライダーとバイク好きのためのイベントとなった。バイク系の各種モータースポーツが集結してデモンストレーションやエキジビションレースを実施したほか、海外系バイクメーカーによる試乗会、メーカーや関連ショップのブース出展なども行われた。また、三宅島の郷土芸能がステージで披露されたり、サザエやくさやといった同島の物産も販売されたりした(特にサザエは長蛇の列ができて、早い段階で売り切れ)。そのほか、ギタリストデュオのセカハンによるライブ、女性ライダーでエッセイストの国井律子さんのトークショー(来年秋以降に地球一周バイク旅行を初公表)、警視庁女性白バイ隊「クイーンスターズ」6名の隊員によるデモ走行、スタントチームが事故を実演した警視庁によるアクション満載の交通安全教室などもラインナップ。バイク300台を停められる無料駐車スペースも用意され、多数のライダーやバイク好き、モータースポーツファンが集まった。
特設サーキットでエキジビションレースやデモ走行が実施されたのは、スーパーモタード、フリースタイルモトクロス(FMX)、レーシングサイドカー、ドラッグレースなど。クラシックバイクや民間初の緊急車両「首都高速バイク隊」のデモ走行もサーキットで行われた。また、トライアル&スタントエリアでは、そのエリア名の通り、トライアルとスタントライドが実施された。
朝10時のオープニングが終わって、トップをって行われたのが、スーパーモタードのエキジビションレース。午後にも行われ、計2回、その迫力を披露していた。スーパーモタードとは、サーキットでのロードレーサーと、オフロードのモトクロスレーサーおよびダートトラックレーサーの誰が一番速いかという主旨から始まった、各種レースをミックスしたような内容の2輪レース。オフロードベースのバイクに小径ホイール+オンロード用タイヤを装備した、専用の車輌で争われる。日本では2005年から日本モーターサイクルスポーツ協会(MFJ)公認のレースとなり、全日本戦選手権として「MOTO1オールスターズ」が開催中だ。今回の参加選手は12名。MOTO1オールスターズは、MOTO1、MOTO2、アンリミテッドの3クラスがあるのだが、今回は各クラスのチャンピオンや上位ランカー、海外の選手権に参戦している選手が集まり、通常は見られない、オールスター戦のような形となった。今回はオフロード(ダート)部分がないが、ジャンプセクションを用意。スペースの都合上、ショートコースとなっており、ヘアピンやシケインを含む5つのコーナーと、ストレート1本というレイアウトだ。それでも、最終コーナー(厳密にはそのあとにシケインがある)手前のストレートエンドではかなりの車速が乗る形で、各選手2輪ドリフトを繰り出しながら抜きつ抜かれつを演じていた。午前のレースは、森田一輝選手が、午後のレースは松本康選手が勝っている。