北海道旭川市の旭山動物園は、新施設「オオカミの森」をオープンした。同施設は2006年に新設した「チンパンジーの森」以来となる大型の施設で、3頭のシンリンオオカミのほか、2頭のエゾシカも公開されている。フェンス越しに360度の視界でオオカミたちを見ることが可能な場所を設けるなど、"オオカミワールド"を体験できる注目の施設だ。
かつては北海道にも生息していたが、現在は絶滅した野生のオオカミ。同じ過ちを繰り返さないよう、今こそ過去をしっかりと見つめ直して未来を考えるためにとの願いを込めて「オオカミの森」が建設された。同施設は、100年前にオオカミが生息していた北海道をイメージ。オオカミの棲む森に来園者がそっとお邪魔するというコンセプトの元、昨年9月に創設された「旭山動物園"もっと夢"基金」を初めて利用した。総工費は約2億1500万円。地上2階地下1階で敷地面積は約1,933平方メートルとなっている。公開されているのはケン(牡1歳)、メリー(牝1歳)、クリス(牝1歳)のシンリンオオカミ。3頭のオオカミとは隔たれているが、同施設内にはオオカミが天敵である2頭のエゾシカも飼育されている。
施設中央には、フェンス越しに360度の視界でオオカミを見ることが出来る観覧スペースがある。こちらでは、タイミングによっては遠吠えをするオオカミの姿が見られるという。また、施設の外側に設けられたフェンスなどを遮らないスペースにも注目。写真撮影には最適な場所である。そのほか、施設内にカマボコ型のドームを設け、ドーム内から見上げるアングルは、オオカミの息遣いまで聞こえてきそうな急接近のポイントだ。同動物園広報担当者は「オープン当初は新施設と言うこともあり、真っ先にご覧になるお客さんも多い人気度の高い施設。来園者の方にはオオカミとエゾシカの関係について見て頂きたいですね」とコメントを寄せている。