図1 プロアトラスSV4 全国版 DVD 1年間地図データ更新パック

最近では、地図を調べるのにインターネットやポータルサイトの地図検索を利用することが少なくない。本稿で紹介するのは、PCにインストールして利用する地図ソフトである。インターネットでは、表示される速度を優先するために、軽量化が行われている。具体的には、表現力や情報量は最低限に絞り込んでいることが一般的である。

しかし、ローカル型ソフトでは、軽量化がそれほど必要ない。つまり、色、フォントなどを多彩に使用し、より見やすく、わかりやすい地図を表示させることができる。そして、機能もふんだんに盛り込まれているのが特徴である。なんといっても、加工や印刷などの二次利用がしやすいことがあげられる。iPodや携帯電話に地図の切り出しが可能なことなども特徴の1つである。

そんなローカル型ソフトである電子地図ソフトのバージョンアップ版である「プロアトラスSV4」シリーズが、クレオより4日に発売される。まずは、ラインナップであるが、「プロアトラスSV4 全国版 DVD」(10,290円)、「プロアトラスSV4 全国版 DVD 1年間地図データ更新パック」(15,540円)、「プロアトラスSV4 アップグレード・乗り換え専用 1年間地図データ更新パック付」(9,975円)、「プロアトラスSV4 首都圏・中部・関西版 DVD」(8,190円)の4製品となる。OSは、Windows 2000(SP4)、XP(SP2)、Vistaに対応する。また、体験版も用意されているので、そちらをダウンロードして試してもらいたい。

今回、1年間の地図データ更新パック付きのパッケージがラインナップに加わった。クレオではこれまで、3カ月ごとに最新の地図データをダウンロード販売してきた。しかし、このパッケージを購入すれば、つねに最新の地図データを余計な負担なく利用できる。全国版を個別に購入すると、これまでと比較して52,500円も安くなる。

プロアトラスSV4の新機能

では、プロアトラスSV4の新機能をみていこう。まず、ユーザーインタフェースが一新された(図2)。地図と操作領域がはっきりと峻別され、地図が見やすくなった印象がある。

図2 新しくなったユーザーインタフェース

今回、加わった新機能であるが、まずは、主要都市の地下街マップである。[表示]→[地下街マップ]で、表示したい地下街を選択する(図3)。

図3 地下街の選択

図4は、新宿の地下街マップを表示したものである。地下街内部の店舗の配置などもわかりやすい。全国46か所の地下街マップが収録されている。地下街施設の検索も、「買う」「食べる」「コンビニ」といったキーワードで検索できる。

図4 地下街マップ

プロアトラスSV4では、表示地点の距離・方位・標高などをリアルタイム表示することができるようになった。[ツール]→[リアルタイム測量]で、ホーム位置からの距離・方位・標高をウィンドウ下に表示する(図5)。

図5 リアルタイム表示

さらにユニークな機能が、ミニ地図帳の作成である。3種類の縮率の地図を印刷する通常印刷とルート情報やメモ帳などで構成されるルートマップ印刷ができる。特定のエリアを表紙付きポケットサイズのミニ地図帳を作成し、印刷して持ち歩くことが可能になる(図6)。

図6 ミニ地図帳

他の新機能としては、筆まめ住所録ファイルのインポートが可能になった。住所録ファイルの住所情報から正確な緯度経度を表示させたり、住所・電話番号・携帯電話・e-mailなどの情報をポップアップ表示させることができる。さらに、今回のバージョンアップでは、次の機能が強化された。

  • CSVデータの取り込みで分布図を棒グラフ表示
  • 高速 / 有料道路料金表示が追加されたルート検索
  • GPS端末との連携機能や対応機種の増加

標高マップを表示してみる

ここで、ローカル型ソフトならではの機能を紹介してみたい。まずは、[検索]から[ルート検索]を選択する。ここでは高尾山の登山を例としたい。出発地と目的地を選択し、検索を行う。すると、ルートが表示される(図7)。

図7 ルート検索

ここで、検索画面の下にある「標高グラフを表示」アイコン(図8)をクリックする。

図8 「標高グラフを表示」アイコン

ルート検索ウィンドウに、標高グラフが表示される。グラフの下にあるスライドバーを左右にスクロールすることで(マウスのホィールを回転することでも同様の操作が可能)、各地点ごとの標高や出発地からの距離が地図上に表示される(図9)。

図9 標高と出発地からの距離を表示

この機能は、地図に標高データが含まれていることを利用したものである。[ルート検索]以外でも、[測定]で測った距離などに対しても同様のことができる。

プロアトラスSV4は、ローカル型ソフトとしてユニークな機能が満載されている。本稿で取り上げた例のように標高データを使えば、ルートにある坂道などを事前に調べることができる。ジョギングやサイクリングにおけるルート設定にも使えるであろう。本稿で紹介した機能はほんの一部でしかない。地図という枠にとらわれない利用方法が数多くある。ぜひ、有効利用をしていただきたい。