「Firefox 3」のリリースを開始したMozilla Japanが26日、記念パーティをグランドプリンスホテル新高輪で開催した。Firefox 3は、18日のダウンロード開始から24時間で800万ダウンロードを記録し、ギネスへ申請している。このような注目を集めている新世代のブラウザを祝いたいと約280名がパーティに訪れ、Firefox 3を盛り上げた。
壇上にはMozilla Japanの瀧田佐登子代表理事が、「1人でも多くの人とリリースを祝いたいためにパーティを開催しました。企業の方から学生まで、さまざまな方のコミュニケーションの場として活用していただきたいです」と「Firefox」を盛り上げてくれた多くの方に感謝の言葉を述べた。
続いて、米Mozillaのジョン・リリーCEOが、「10年の歴史の中で、Mozillaにとって本当にすばらしい1週間でした。皆さんの応援があって、この日を迎えることができました。今日は貴重な時間をいただき、ありがとうございました。今後もMozillaへ高い関心を持ってもらえればと思います」と挨拶した。
さらに、さまざまな分野に向けてMozillaの普及に努めているアシストのビル・トッテン代表取締役を紹介。ビル・トッテン氏は、無料、無条件、透明というオープンソースの革命を広めるために、さまざまな企業に向けてクライアントソフトウェアをサポート。オープンソースが、これからの時代を作っていくとした。
Firefox 3のダウンロードをさらに盛り上げた「Firefoxの灯」。日本中でFirefox 3がダウンロードされている状況を視覚的に確認できるのが「Firefoxの灯」だ。パーティでは開発を行った慶應義塾大学の筧康明(かけひ やすあき)氏がデモを実施。しかも、18日のデータを使って、Firefox 3のリリース前後の様子を画面で見せた。その様子は日本各地で美しい光が輝くことで表現され、日本中でダウンロードが行われていたことを表していた。筧氏は、このような仕組みをWeb上の情報の新しい見方として、これからも研究を進めたいとしていた。
瀧田氏は、リリース日を振り返り、「このときは、いろいろな方に24時間体制でご支援いただきありがとうございました」とお礼を述べた。
次に、Firefox 3の新CMを紹介。制作は昨年開催された「2007 GET Firefox ビデオアワード」でグランプリを受賞したパンタグラフだ。山手線の車内などで放映されている。このCMは、知らない人が見たときに、名前とロゴを覚えてもらえるように作ったとのこと。ブラウザということより、名前を認知させるためのCMだ。そのため、目を引くような映像に仕上がっている。
パーティでは、リリースを記念するだけでなく、Netscapeのコードを公開して10年ということで、誕生日記念ケーキを用意。当時、ソースコードをダウンロードしたユーザーを壇上に上げ、ケーキのろうそくを消して祝った。
Firefox 3はオライリー・ジャパンとインプレスが書籍化。オライリー・ジャパンは8月末に発行予定。制作を進めている。インプレスは「できるポケットプラス」シリーズとして7月25日に発売予定。基本機能から拡張機能まで噛み砕いて紹介している。
パーティの後半では大抽選会を実施。Firefoxの白黒のTシャツ、Firefoxのポロシャツ、Firefoxジャージ、フォクすけTシャツ、Firefoxバックパック、Firefoxメッセンジャーバッグ、フォクすけのぬいぐるみのほか、デジタルステージから提供したもらったホームページ作成ソフト「BiND for WebLiFE」のプレゼントを実施した。
パーティの最後に瀧田表理事が、Mozilla Japan立ち上げから個人的に支援してくれた、財団法人インターネット協会の高橋徹副理事に「当時支援してもらっていなければ、今のMozillaはありません」と感謝の言葉を述べた。さらに、いままで支えてくれた多くの方に感謝を述べながら、Mozillaのテクノロジーをインターネットの世界、Webの世界、モバイルの世界を変えていくとし、日本がそれを引っ張っていくとした。オープンソースの世界を、Firefoxを起爆剤として変えていくと語った。
そして、「Firefox 3.1」のコードネームが日本から選ばれ、"知床"になったことを明らかにし、日本中どこでも呼ばれれば行って、Firefox、オープンソースを盛り上げる講演を行うとした。