ドラッグ&ドロップで簡単転送、自動アップロードも

さて、肝心のアップロード操作について。これは開いたプレイス、またはプレイスマップ上で目的の場所にファイルをドラッグ&ドロップするだけでよい(ダウンロード操作も同様)。複数ファイルやフォルダごとの一括転送にも対応している。ファイルの出し入れは「MENU」から実行可能できるほか、ショートカットも設定されている。プレイス間でのファイルの移動やコピーも行える。

また、自動アップロード機能を備えている。「自動アップロード設定」で特定のフォルダを常に監視するように設定しておくと、差分が自動的にアップロードされる。これはquanp.onと併せてインストールされる常駐ソフト「quanp monitor」によって実行される。仕事で必要なドキュメントのバックアップや、日々撮りためている写真を自動的にアップロードする設定にしておけば、それこそライフログとして便利に使えそうだ。自動アップロード時のタグやコメントは、プレイスにあらかじめ設定されたものが反映される形になっている。なお、この機能が必要なければ、quanp monitorは常駐させなくても問題ない。

タグやコメントを付けるダイアログが表示され、「OK」ボタンを押すと転送が開始される

自動アップロード設定はMENUの「ツール→設定」から。監視間隔はquanp monitorで設定できる

ただ、レビューした時点だと、アップロードに時間がかかるケースが多く、転送容量が大きいと途中でエラーが出やすい点が気になった。テストで約50MB分のフォルダ(画像110枚)を転送した際の所要時間は7分27秒。テスト環境での上り回線速度は8~9Mbps出ており、同じフォルダを個人のレンタルサーバに転送したところ(「FFFTP」使用)、59秒で完了した。同社によるとquanpのサーバはユーザーの増加にともなって徐々に拡張していくことができる、スケールアウトモデルで構築されているという。とはいえ、もう少しパフォーマンスが向上しなくてはせっかくの大容量も活用しきれない。個人的にも、ここさえクリアされればもっと積極的に利用したいのだが……。

複数人での共有もOK

オンラインストレージとしては欠かせないのが共有機能。quanpも複数人でファイルを共有する機能を備えている。ただし、無料のTrial版では自ら共有設定を行うことはできない。共有機能を前提に本サービスを利用しようとしているユーザーは注意が必要だ。

共有は、Standard/Quantam版のユーザーが「プレイスに他のユーザーを招待する」という形で行う。すると、そこに保存したファイルを共有することができる。旅行で撮った写真をお互いにアップロードしたり、仕事で作成した書類を複数名で共有してフィードバックをもらったりしたい場合などに活用できそうだ。招待するメンバーには、ファイルのアップロードが可能な「編集者」と閲覧のみ可能な「読者」の権限を設定できる。ダウンロードや印刷については、いずれの権限でも可となっている。

quanpのユーザーIDまたはメールアドレスでユーザーを招待する

ファイルのアップロードやコメント更新をメール等で知らせてくれる機能が欲しいかも

Webブラウザ対応の「quanp .net」のベータ版を公開

仕事でも便利に使えそうな共有機能だが、問題なのは共有する相手もquanpをインストールしていないとダメだという点だ。とくにその時だけ見てほしいという場合などには、Webブラウザで手軽に使えることが望ましい。保存したファイルを自分のパソコン以外の場所から見たいときにも同様だ。こうした要望はフィールドテストの時から寄せられており、6月23日にWebブラウザ対応の「quanp.net」β版が公開された。ただし、現時点ではまだquanp特有の3D表示やマトリックス状のプレイス画面は利用できず、純粋なストレージサービスとしてのUIとなっている。

Webブラウザでquanpを利用できるようにする「quanp.net」。対応Webブラウザは、Internet Explorer 6.0 SP2以降/Firefox 2.0以降/Safari 3.0以降