ホンダ(本田技研工業)は、1000ccクラスのスーパースポーツバイク「CBR1000RR」をフルモデルチェンジし、スタンダードカラーは7月11日から、トリコロールは9月5日より発売する。価格はスタンダードカラーが139万円、トリコロールが142万円。
「CBR1000RR」2008モデルは、欧州はすでに昨秋より発売されており、国内でも公道走行のできないレースベース車が発売されている。今回は日本国内の市場に合わせ、エンジンのデチューンなどを行ない発売するもの。
今回のモデルは「オール・ザ・ベスト・イン・スーパースポーツ」を開発のキーワードとし、二輪ロードレース「MotoGP」で培った先進技術を採用。フレームは、新開発のコンパクトな4分割タイプのアルミダイキャスト製を採用。さらに、新開発のリア・スイングアームは、従来モデルに比べ12mm長く設計されており、ユニットプロリンクサスペンションの採用と合わせてトラクション性能を向上させた。ホイールベースは従来モデルよりも5mm長く、シート高は変わらない。また、エンジンと車体の軽量化を図ることで、従来モデルに比べ5kg低減した。倒立タイプのフロントサスペンションは、従来モデルに比較して左右のフォーク間隔が10mm短縮された。マスの集中化を図った車体構成は、市街地からスポーツ走行まで扱いやすく優れた操縦安定性を実現するという。また、メインフレームとスイングアームをブラックで統一することで、より精悍なイメージに仕上がっている。エンジンも軽量化とコンパクト化を追求しており、エンジン単体で約2.5kg軽量化されている。シリンダースリーブには高回転化に対応し、耐久性と低フリクションに優れたNi-SiC(ニッケル-シリコンカーバイド)表面処理を施している。シフトダウン時の後輪ロックを抑える「アシストスリッパークラッチ」を新たに採用。これはMotoGPマシン「RC211V」からフィードバックしたもので、クラッチレバー荷重を軽減する働きもある。
排出ガスのクリーン化については、従来モデルから採用している電子制御燃料噴射装置(PGM-DSFI)に加え、エキゾーストパイプとマフラー内に触媒装置(キャタライザー)を装備することで、平成19年国内二輪車排出ガス規制に適合させている。スタイリングは、凝縮されたフォルムと空力性能を追求しており、マフラーを下方に配置することで、マスの集中化に寄与するとともに、スリムなシートレールも実現している。ヘッドライトには異型2灯タイプ、LEDポジションランプ付ウインカーなどを採用した。カラーリングは、スタンダードカラーにパールサンビームホワイト、キャンディーグローリーレッド、グラファイトブラックの3色を設定するとともに、HRCワークスチームのカラーリングをイメージしたトリコロールを加えた合計4色をラインアップする。
主な仕様は、全長2,080m×全幅0.680m×全高1,130m、ホイールベース1,415m、シート高0.820m、車両重量201kg、水冷・4ストロークDOHC 4気筒エンジン、999cm3(ボアφ76.0×ストローク55.1mm)、最高出力87kW(118ps)/9,500rpm、最大トルク95Nm(9.7kgm)/8,250rpm、リターン式6速MT、セルフ式スターター、タンク容量17L、タイヤ:前120/70ZR17 M/C(58W) 後190/50ZR17 M/C(73W)、燃費24.5km/L(60km/h定地走行テスト値)。