日本医療データセンターがこのほど行った調査で、「腰痛症」と肥満に密接な関係があることが明らかになった。

調査は、30代から50代の男女を対象に、BMI25以上の人と25未満の人が腰痛症で受診した割合を比較。BMI区分別に腰痛症の病院受療率の違いを調べた。

その結果、BMI25未満の男性の受療率は、30代が4.6%、40代が5.4%、50代が6.2%。BMI25以上では、30代が5.7%、40代が7.0%、50代が7.4%と、いずれの年代もBMIが高いほうが受療率が高くなる傾向にあり、その差は1.1~1.6%だった。

一方、女性の場合、BMI25未満の30代が5.5%、40代が6.4%、50代が8.4%。BMI25以上では、30代が8.0%、40代が8.0%、50代が10.4%と、BMIの違いによる差は1.6~2.5%にも及び、男性同様BMIが高い人ほど腰痛症で受診する割合が高いとわかった。

またBMIに関わらず、いずれの年代においても男性よりも女性のほうが腰痛症の受療率が高い割合を示した。この結果について、北里大学医学部佐藤敏彦准教授は「男性の場合は、同じ姿勢を取り続けたり、重いものを持ちあげる工場勤務の方に見られますが、女性の場合、筋肉が弱って起こる腰痛で病院受療しているケースが多いのかもしれません。病院受診期間や治療法を調べることによりその差が明らかになるかもしれません」と述べ、女性は肩にショルダーバックをかけたり、ハイヒールを履く習慣があることによって腰への負担が増している可能性を指摘している。