ヤマハは独SteinbergのFireWire接続オーディオインタフェース「MR816CSX」、「MR816X」を9月上旬に発売すると発表した。価格はともにオープンで、予想実売価格はMR816CSXが13万9,800円前後、MR816Xが9万9,800円前後。
両製品はヤマハとSteinbergの開発スタッフが共同で開発した、ヤマハ製Steinbergブランド・オーディオインタフェースの第1弾となる製品。製造は静岡県のヤマハ豊岡工場で行われるという。
DSPエフェクトを内蔵したヤマハ開発、SteinbergブランドのFireWire接続オーディオインタフェース「MR816CSX」(上)と「MR816X」(下) |
Cubaseのプロジェクトウィンドウ上でトラックを選択しておき、マイクや楽器を繋いだ入力ポートのQUICK CONNECTボタンを押すことで接続設定がワンタッチで完了する |
両製品はヤマハのハードウェアとSteinbergのソフトウェアを連携させるAI Functionsに対応。「Cubase」シリーズや「Nuendo」シリーズといったSteinbergソフトウェアと併用することで、以下の機能を使用できる。新規プロジェクト作成画面で専用テンプレートを選択してソフトウェアやハードウェア設定を行うプロジェクト・テンプレート、レコーディング時にCubaseのオーディオトラックとMR816シリーズのアナログ入力チャンネルをワンタッチで設定できるクイックコネクト、Cubaseへのオーディオ入力信号にMR816シリーズのDSPエフェクトを適用できるTrue Integrated Monitoringなどだ。
本体にはDSPエフェクトを搭載。ヤマハのプロフェッショナル・マルチエフェクタ「SPX2000」などに搭載されている高品位リバーブ「REV-X」を両製品に搭載。また両DSPエフェクトは本体をExternal FXモードにすることで、CubaseのミキサーウィンドウからVST3エフェクトとして使用することも可能となっている。前面パネル右側にはクリックすることでモードを切り替え、ヘッドホン出力やDSPエフェクトのパラメータ変更が可能なマルチファンクションエンコーダを2系統備える。
上位機種のMRX816CSXのみに搭載される「Sweet Spot Morphing Channel Strip」はヤマハの技術開発グループであるK's LABが開発した音楽性の高いコンプレッサ回路と、3バンド・パラメトリックEQである「Musical EQ」を組み合わせた新発想のエフェクト。MR816CSXには8基のSweet Spot Morphing Channel Stripが搭載される。
入出力端子は前面パネルにマイク/ライン/Hi-Z入力1系統とマイク/ライン入力1系統、背面パネルにマイク/ライン入力6系統、ライン出力8系統、S/PDIF(コアキシャル)入出力各1系統、ADAT(オプティカル)入出力各1系統、WordClock入出力各1系統、インサートI/O2系統を搭載。マイク/ライン入力部にはディスクリート方式Class-Aマイクプリアンプを搭載し、ヘッドアンプ部にはオーディオ機器で使用されているインバーテッドダーリントン回路を採用している。
ヘッドホンやマスター出力のボリューム調整、内蔵DSPエフェクトのパラメータ変更に活用する2系統のマルチファンクションエンコーダ。なおMR816CSX(上)とMR816X(下)の違いはDSPエフェクト「Sweet Spot Morphing Channel Strip」の搭載・非搭載で、基本機能は両製品共通 |
本体サイズは480(W)×305(D)×44(H)mm、重量は3.2kg。また背面には2系統のFireWire(IEEE1394)端子が用意され、FireWireケーブルで最高3台のMR816シリーズを接続し、入出力端子を最大48チャンネルまで増設することも可能だ。
両製品の動作環境はWindows XP/VistaおよびMac OS X v10.4以上。製品にはDAWソフト「Cubase AI 4」が付属する。またMR816シリーズをCubaseおよびNuendo以外のDAWソフトで使う場合は、同梱ソフト「MR Editor」を使用することですべての機能を活用できる。