標準化団体のKhronosグループは16日 (米国時間)、異種混在型の並列コンピューティング技術を扱う作業部会「Compute Working Group」の設立を発表した。今後、OpenCLの評価を含め、GPUの処理能力を活用するための業界標準策定に動き出す。
同ワーキンググループには、3Dlabs、AMD、Apple、ARM、Codeplay、Ericsson、Freescale、Graphic Remedy、IBM、Imagination Technologies、Intel、Nokia、NVIDIA、Motorola、QNX、Qualcomm、Samsung、SeaweedとTexas Instrumentsの企業群、そしてスウェーデンのウメオ大学が参加を表明。グラフィックプロセッサの高い処理能力を一般的な計算用途に使おうというGPGPU (General Purpose GPU) の標準規格策定を目指し、活動を開始する。
具体的な活動内容としては、AppleがWWDC 2008で発表した「OpenCL」(Open Computing Language) の評価が挙げられている。OpenCLはC言語ベースのGPGPU実装として、Mac OS Xの次バージョン「Snow Leopard」に採用される予定。
現在仕様が明らかにされている異種混在型の並列処理技術 (ヘテロジニアス・コンピューティング) には、NVIDIAの「CUDA」、AMDの「Stream Computing」などがある。両規格ともハードウェアベンダーからの提案だが、OpenCLはOSベンダーからの提案であり、特定のGPUに依存しないオープンな規格としての実装が期待されている。