かけるだけで心を弾ませてくれるメガネがあったなら……? 「変わる、楽しむ、遊び心」をテーマに、次世代を担うクリエイターの発掘と育成を目的としたアイウエアデザインコンテスト「JIN's EYEWEAR DESIGN CONTEST 2008」(ジェイアイエヌ主催)の授賞式 がこのほど開催された。
「JIN's EYEWEAR DESIGN CONTEST 2008」は、美術・デザインを専攻する学生を対象としたアイウエアデザインコンテスト。第1回目となる今回は、審査員としてインテンショナリーズ 代表取締役 鄭秀和氏、ファッションブランド「man of moods」CEO兼ディレクターの福山正和氏、スタイリストの小林伸崇氏、Pen編集部が審査員として参加。全国44校から182作品もの応募が集まり、最終審査には13作品がノミネートされた。
ポイントは「ウケ狙い<機能美」
「機能美を追求した上で、更に一歩踏み込んで考えたデザインが必要」と話す鄭秀和氏 |
目黒のホテル「CLASKA」やデザイン家電「amadana」などを手がけた鄭氏は、「プロダクトやファッションアイテムとしての視点で作品を審査した」と今回のコンテストに対する想いをコメント。「ウケを狙っただけでは製品として成りたたない」と語る鄭氏ら"デザインのプロ"たちが厳選したメガネをご紹介したい。
まず、佳作として選ばれたのは、メガネという存在を視力を支える"骨(bone)"として表現した「bone.」とフレームに開けられた穴に糸を巻き、自分だけのオリジナルメガネをつくることができる「4HOLES」の2作品。シンプルながらスパイスを効かせたデザインで、一度見たら忘れられないメガネとなっている。
また、審査員特別賞には下記4作品が選出された。鄭秀和賞を受賞したのは、多摩美術大学の遠藤智子さんによる「twist」。テンプル部分に糸を撚ったようなデザインを施した作品で「製品化したらキレイになるんじゃないかなと思った」と話す鄭氏の"御眼鏡"にかなったようだ。
そして栄えある優秀デザイン賞には、「FLY」と「hello」の2作品が選ばれた。フレームの真ん中に蝿が止まっているというアイディアが斬新な「FLY」をかけていれば、オフィスや街中で注目の的になること間違いなし。また、「hello」は一見普通のメガネに見えるが、ある角度から見ると、側面にある模様が"hello"という文字に読めるという仕掛けが! メガネを新たなコミュニケーションツールとして捉えていることが評価されたのだという。
残念ながら今回のコンテストでは、最優秀デザイン賞は該当作品なしという結果となったが、「hello」を含む一部受賞作は製品化を検討中とのこと。遊び心あふれるメガネをかければ、気分もちょっと上向きになるというもの。たかがメガネ、されどメガネ。マンネリ化したいつもの"メガネ姿"を見直してみてはいかがだろうか。
受賞者もメガネ姿で現れた人が多かった |