東京写真展案内では、東京都内で開催される写真展をカメラ会社が運営するギャラリーを中心に紹介していく。今週のオススメは、キヤノンギャラリー銀座で開催されている永江和之写真展「クランク・アップ」。『東京タワー オカンとボクと、時々、オトン 』や『戦国自衛隊1549』など近年興業的にも成功を収めている邦画を中心に映画スチール写真の世界で活躍し、2006年に他界した写真家・永江和之氏の作品展。このほかにも興味深い写真展が多数。お気に入りの展覧会を見つけ、是非足を運んでいただきたい。

コニカミノルタプラザ

コニカミノルタプラザ特別企画展 地球の上に生きる2008 DAYS JAPANフォトジャーナリズム写真展

コニカミノルタプラザがフォトジャーナリズム誌『DAYS JAPAN』との共催で開催する写真展。戦争・災害、地球温暖化の影響など地球の真実の姿を伝える世界のフォトジャーナリストたちの作品の数々を展示する。世界46カ国から寄せられた4,700点の写真から選ばれた2008年度DAYS国際フォトジャーナリズム大賞受賞作品約50点も展示される。

展覧会名 地球の上に生きる2008 DAYS JAPANフォトジャーナリズム写真展
展示作品 カラー・モノクロプリント 半切~全倍 約100点
会期 5月31日~6月19日
会場 コニカミノルタプラザギャラリーB・C 東京都新宿区新宿3-26-11新宿高野ビル4F
開館時間 10:30~19:00(最終日は15:00まで) 年中無休

第4回DAYS国際フォトジャーナリズム大賞 読者賞

島内治彦写真展「記憶の中の風景」

作者は街歩きを楽しみながら地方都市の風景をカメラに収めてきた。「これからも気ままに足の向くまま、被写体との距離を計りつつ撮り続けたい」と述べる作者のモノクロ作品を展示。

展覧会名 「記憶の中の風景」
展示作品 モノクロプリント 大四切 約50点
会期 6月10日~6月19日
会場 コニカミノルタプラザギャラリーA 東京都新宿区新宿3-26-11新宿高野ビル4F
開館時間 10:30~19:00(最終日は15:00まで) 年中無休

(c)島内治彦

オリンパスフォトギャラリー

井上博義・薬師洋行・川塚錦造写真展「祇園祭2007」―3人が撮った古都の雅

日本三大祭に数えられる祇園祭。山鉾32基が都大路を行く華麗でダイナミックな巡行で有名だが、実は7月の1カ月間をかけて行われる八坂神社の神事である。今回の写真展では、人々の目には触れない部分も含めた1カ月間の祇園祭の様子を3人のカメラマンが克明にドキュメントした写真を展示する。

展覧会名 「祇園祭2007」―3人が撮った古都の雅
作家 井上博義・薬師洋行・川塚錦造
展示作品 約65点
会期 6月12日~6月18日
会場 オリンパスギャラリー東京 東京都千代田区神田小川町1-3-1 NBF小川町ビル
開館時間 10:00~18:00(最終日は15:00まで) 日曜・祝日休館

(c)井上博義

ペンタックスフォーラム

小松崎みつお写真展「奥久慈山河」-八溝の麓から望む里の道「清らかな里山」-

豊かな自然に恵まれた茨城県北の里山を囲む八溝山周辺。山頂にはブナ林が広がり、ミズナラ、ヤマツツジ、ゴヨウツツジ(マツハダ)などの原生林は八溝山天然林として保護されている。この豊かな「奥久慈山河」からまとめた清らかな里山の風景や今も息づく暮らしの移ろいを捉えた作品を展示する。

展覧会名 「奥久慈山河」-八溝の麓から望む里の道「清らかな里山」-
作家 小松崎みつお
展示作品 カラー約40点
会期 6月11日~6月16日
会場 ペンタックスフォーラム 東京都新宿区西新宿1-25-1 新宿センタービルMB
開館時間 10:30~18:30(最終日は16:00まで) 火曜日休館

(c)小松崎みつお

ライカ銀座店サロン

上田義彦写真展「at Home」

日本写真界の第一線で活躍している写真家・上田義彦の写真展。妻である桐島かれんと4人の子供たちを13年間にわたり撮影した作品集の中から、厳選された14点の写真を展示する。

展覧会名 「at Home」
作家 上田義彦
展示作品 14点
会期 4月18日~7月20日
会場 ライカ銀座店サロン 東京都中央区銀座6-4-1
開館時間 11:00~7:00 月曜日休館

(c) Yoshihiko Ueda

富士フイルムフォトサロン 東京

第5回エボニークラブ写真展「旬美」

自分だけを頼りに、我を忘れて写真に向き合う仲間が集まっての写真展。「感動も悪戦苦闘も4×5、5×7、8×10インチのフイルムに写し出され、写真の魅力は奥深さは私達を捉えて離しません。多機な写真表現が可能になった今だからこそ、一枚一枚の写真に私達それぞれの感動をお伝えできれぱこの上ない喜びです」―作者コメントより

展覧会名 第5回エボニークラブ写真展「旬美」
作家 エボニークラブ
会期 6月13日~6月19日
会場 富士フイルムフォトサロン東京スペース1 港区赤坂9-7-3フジフイルムスクエア2F
開館時間 11:00~20:00(最終日は14:00まで)

岡本美知子写真展「昭和の記録・あの日あの時」

昭和30年に写真を撮り始めた作者。ドキュメントに興味を持ち、新聞やラジオでニュースをキャッチしては現場に訪れてカメラに収めていたという。「意識していた訳ではありませんでしたが、断片的に昭和の記録となっていました。撮影の依頼に心よく応じて下さった方々の人間味に感動し、単なる記録ではなく、人間味を描写したいと念じて撮り続けてきたものです」―作者コメントより

展覧会名 「昭和の記録・あの日あの時」
作家 岡本美知子
会期 6月13日~6月19日
会場 富士フイルムフォトサロン東京スペース2 港区赤坂9-7-3フジフイルムスクエア2F
開館時間 11:00~20:00(最終日は14:00まで)

岡本美知子「昭和天皇崩御の日」

大野 浩写真展「 Deep Forest ~青い森~ 」

冷温帯の気候に位置する青森県十和田、奥入瀬、八甲田の森。作者はこの森が持つ命の密度と表情の奥深さを強く感じ、四季ごとの色彩に極端なまでに染まるこれらの森に想いを込めてストレートでリアルに描いたという。森の空気感と臨場感を感じてもらいたいというのが作者の願い。

展覧会名 「 Deep Forest ~青い森~ 」
作家 大野 浩
会期 6月13日~6月19日
会場 富士フイルムフォトサロン 東京スペース3 港区赤坂9-7-3フジフイルムスクエア2F
開館時間 11:00~20:00(最終日は14:00まで)

大野 浩「倒木の紅葉」

キヤノンギャラリー銀座

永江和之写真展「クランク・アップ」

「東京タワー オカンとボクと、時々、オトン」、「およう」、「戦国自衛隊1549」など近年興業的にも成功を収めている邦画を中心に映画スチール写真の世界で活躍し、2006年に他界した写真家・永江和之氏の作品展。映画に情熱を注いだ永江氏の世界が楽しめる。

展覧会名 「クランク・アップ」
作家 永江和之
会期 6月12日~6月18日
会場 キヤノンギャラリー銀座 東京都中央区銀座3-9-7
開館時間 10:00~19:00(最終日は16:00まで) 日曜、祝日休館

(c)永江和之

キヤノンギャラリーS

熊切圭介写真展「揺れ動いた'60年代の光と影」

日本の高度経済成長期に写真家として活動を始めた熊切圭介氏の作品展。戦後の混乱期を経て池田内閣の「所得倍増計画」のもと豊かさを求めてがむしゃらに働く人々の姿、急激な工業化の中で疲弊していく国土の様子など、「光」と「影」の部分を宿す60年代の世相をジャーナリズムの視点からとらえた全モノクロ写真100点余りを展示。

展覧会名 「揺れ動いた'60年代の光と影」
作家 熊切圭介
会期 5月9日~6月17日
会場 キヤノンギャラリーS 東京都港区港南2-16-6キヤノンSタワー1階
開館時間 10:00~17:30 日曜、祝日休館

(c) 熊切圭介

銀座ニコンサロン

浜 昇展「VACANT LAND 1989」

1989年を頂点に崩壊したバブル経済。本展はその前後3年にわたって東京の神田・四谷・新宿の「空地」を記録したもの。狂乱する地価の高騰に乱舞するこの時代を「空地は写真である」と確信した作者は、地図を片手にひたすらてくてくと歩き定めた地域の全ての「空地」を撮影し、その場所を記録した。

展覧会名 「VACANT LAND 1989」
作家 浜 昇
展示作品 モノクロ40点
会期 6月11日~6月24日
会場 銀座ニコンサロン 東京都中央区銀座7-10-1STRATA GINZA1階
開館時間 10:00~19:00(最終日は16:00まで) 会期中無休

新宿ニコンサロン

村上 誠展「東野 azumano (産土・III)」

不思議な霊的作用を備えた魂「産霊(むすび)」が宿るとされる地・「産土(うぶすな)」。作者は産土はどこにあるのか、どのような形態をもっているのかをそれを探るために造形作品の制作とフィールドワークを続けてきた。展示する作品は、産土を訪ねて東京都内を歩き続け、人間の営為と自然との狭間に写真機を据えて撮影したもの。

展覧会名 「東野 azumano (産土・III)」
作家 村上 誠
展示作品 カラー23点
会期 6月10日~6月23日
会場 新宿ニコンサロン 東京都新宿区西新宿1-6-1新宿エルタワー28階
開館時間 10:00~19:00(最終日は16:00まで) 会期中無休