アントニオ猪木が16日、都内で行われた初主演映画『アカシアの花の咲き出すころ-ACACIA-』の製作発表に登場した。
映画に初主演することになったアントニオ猪木 |
同作は北海道・函館を舞台に、猪木が演じる団地に暮らす72歳の元プロレスラーが、偶然出会った少年と暮らすことになり、互いに交流を深め、成長していく姿を描く。作家で映画監督の辻仁成が脚本・監督を担当。「普遍的な物語を描きたかった。今、老人が元気ないですよね。元気といえば猪木さん。猪木さんなら元気を与えられるだろうと、ホテルのバーでお会いして出演を依頼したんです。5分間、猪木さんの目を見つめていたら、『男に二言はない!』と快諾されて」と猪木の起用理由を語り、期待を寄せた。
初主演となった猪木は開口一番「じいさんですか~!」と絶叫し、会場を沸かせると「会った瞬間にわかる。じゃあやるしかねぇだろうなと思った。"辻斬り"にあったような感じですかね(笑)。ま、"猪木もおだてりゃ木に登る"ですから(笑)」とジョークを飛ばすと、辻監督が「でも、最初は不安だったんですよ。クランクインの日に猪木さんは興行を入れていたんです(笑)。しかもカメラテストの時には、セリフを全く覚えてなくて……。これはダメかなとその時は正直思いました(笑)」と不安を吐露しながらも「その後、打ち合わせを重ねていくうちに『なんでも言ってくれ!』とおっしゃって下さって。それ以来セリフはばっちり覚えてきている。さすがです」とエピソードを明かした。それに対して猪木は「セリフは飛行機の中で覚えている。プロレスのシーンは本気でやるし、初心に戻って頑張りたい。孫の世代に何かを教えられれば」と決意を表明した。
猪木登場! この日は「ラブシーンがないのが残念だね。あれば"地"でいくんだけどね(笑)」、「さっき『じいさんですか~!』と言ったら、馬場さんが出てきたね(笑)」など迷言がぼろぼろと飛び出し、会場を沸かせた |
一方、共演の石田えりは「ひょっとしたら、素晴らしい作品になる可能性をもっています(笑)」と作品の斬新さを表現し、北村は「これまでは、クセのある役を多く演じてきましたが、今回は腹話術で他人とコミュニケーションをとる気の弱い男を演じるんです。今まで演じてきた中で一番難しい役ですが、精一杯演じて内面性を出していきたい」と意気込みを語った。
同作は、7月いっぱいで撮影を終え、11月に完成予定。公開は2009年を予定している。