中経出版はこのほど、深刻化するネットいじめへの親子での対処法などを詳細に解説した文庫本『「学校裏サイト」からわが子を守る! 』(全国Webカウンセリング協議会理事長 安川雅史著)を出版した。誰もが加害者、被害者になりえるネットいじめの実態を報告するとともに、いじめにどう立ち向かっていくべきかを記載している。定価は580円。

『「学校裏サイト」からわが子を守る! 』

著者の安川氏は心理療法カウンセラー。理事長を務める全国webカウンセリング協議会で、不登校やひきこもりなど、子供に関するさまざまな相談を受け付けてきた。今年4月からは、学校裏サイトの見つけ方や、嫌がらせを目的とした「なりすましメール」の受信拒否の方法などを教員らに指南する「ネットいじめ対応アドバイザー資格認定講座」を開講している

今回出版した『「学校裏サイト」からわが子を守る! 』では、ネットいじめに関する多くの相談に応じてきた安川氏の経験とノウハウを凝縮。第一章の「"凶器"へと変貌するケータイ」では、なりすましメールや学校裏サイトによる誹謗中傷の恐ろしさについて報告。学校裏サイトにおける中傷で内定取り消しなどの被害にあった事例などが紹介されている。

第二章の「ネットいじめへの防衛策」では、プロフィールサイト(プロフ)を悪用した児童買春やネットいじめの実態を説明。さらに占いサイトへのメールアドレス登録の危険性や、いじめに遭っている生徒が発するサインなどについても述べている。

第三章「いじめにあっている子どもへの対処法」、第四章「実録「引きこもりからの生還記」」では、いじめで傷ついた子どもへの心のケアや、いじめが原因で不登校・引きこもりになった児童・生徒が立ち直った例について、安川氏の実体験に基づき詳述している。

安川氏は今回の出版について、「携帯電話は確かに便利だが、使い方を一歩間違えれば大変なことになるということを、保護者の方にきちんと認識してもらいたいという思いで書いた。また、学校裏サイトなどに学校や先生の誹謗中傷が書き込まれることで、受験生がその学校を志望しなくなるというリスクなどがあることを教員の方々にも知ってもらいたい」と話している。

裏表紙にもあるように、「24時間365日繰り返される」「誰もが加害者、被害者になりえる」という特徴のあるネットいじめの世界。解決の糸口を見出す一助になりそうだ。