Booksベストセラー週間総合ランキング6月6日~6月12日では、『明日もまた生きていこう』(横山友美佳)、『朝バナナダイエット』(はまち。)、『のぼうの城』(和田 竜)の3タイトルが新登場でトップテン入りした。

6月6日~6月12日のBooksベストセラー週間総合ランキング(日販調べ)

順位 書籍名(出版社) 著者
1位 夢をかなえるゾウ(飛鳥新社) 水野敬也
2位 B型 自分の説明書(文芸社) Jamais Jamais
3位 A型 自分の説明書(文芸社) Jamais Jamais
4位 おつまみ横丁(池田書店) 瀬尾幸子/編集工房桃庵
5位 太王四神記公式ドラマ・ガイド 後編(講談社) 「1週間」編集部
6位 情報は1冊のノートにまとめなさい(ナナ・コーポレート・コミュニケーション) 奥野宣之
7位 明日もまた生きていこう(マガジンハウス) 横山友美佳
8位 孤宿の人(上・下)(新人物往来社) 宮部みゆき
9位 朝バナナダイエット(ぶんか社) はまち。
10位 のぼうの城(小学館) 和田 竜

新登場7位の『明日もまた生きていこう』(横山友美佳)は、4月にがんで亡くなった若きバレーボール選手の手記。早くからその才能を認められていた彼女は、高校生の時に北京オリンピックに向けて日本チームを担う選手となるべく選ばれた。だが、日本代表合宿の召集連絡があった2005年3月、18歳の彼女は突然のがん宣告を受けた。「なぜ自分が」と戸惑いつつも、彼女は早稲田大学を受験し合格。その後も様々なことにチャレンジし続け前向きに行動した。北京行きを決めた日本代表チームの選手たちも彼女とは親しかったというエピソードを踏まえて彼女の言葉を読むと、なお一層心に迫るものがある。

9位に入った『朝バナナダイエット』は、mixiや健康雑誌などで話題となっているダイエット法のハウツー本。タイトルの通り、朝食をバナナにすることでやせられるというものだが、特別工夫や我慢がいらないことから手軽なダイエット法として人気を集めているようだ。

10位の『のぼうの城』(和田 竜)は、豊臣秀吉の小田原征伐における石田三成の「忍城攻め」の史実をもとにした時代小説。図体が大きいのに何をやらせても駄目というところから「でくのぼう」を略して「のぼう様」と領民に呼ばれる忍城城代・成田長親が、お家の危機に立ち上がる。わずかな手勢で10倍近い2万の兵を相手に一歩も引かず、三成の軍勢を撃退する様が痛快。登場人物のキャラクターもいわゆる「キャラ立ち」していてわかりやすい。

今週の注目

『雨の日も、晴れ男』文藝春秋/水野敬也/562円(税別)

世の中は相当理不尽である。清く正しくまじめに生きているからといって報われるとは限らない。突然の災害や事故に巻き込まれるかも知れず、病魔に襲われることもある。このご時勢、勤めている会社や取引先だって突如として倒産しないとも限らない。そんな時、ほとんどの人は身の不運を嘆き、やり場のない憤りや悲しみを抱えるのではないだろうか。悪いことなどしていないのになぜ?と自問自答したところで、答えなど出るはずもない。

本著は、そんな境遇に巻き込まれた男の物語。普通の家庭で普通に暮らすサラリーマンのアレックスに、次々と災難が降りかかる。目覚まし時計が止まって会社に遅刻するところから始まり、会社をクビになり、詐欺に遭い、家が焼け、妻が自分のもとを去る。1日の終わりにはさらなる不運が彼に襲い掛かる。

これほどまでに災難が彼を襲うのは、実は偶然ではなかった。誰かが不幸に陥るのを見て楽しもうと思った幼いふたりの神様によるいたずらだったのだ。だが、次々と身に不運が降りかかっているはずのアレックスが一向に落ち込まないことに神様たちは気付く。むしろ楽しそうにすら見える。ふたりの神様は不思議がりつつも彼の行動を見守り続ける……。

本著はロングセラー『夢をかなえるゾウ』の作者による単行本を再構成したもの。読み進めていくうちに、アレックスの不思議な行動に読者も引き込まれる。最後に神様が下した結論は逆説的だが、この本を読み通せばその真の意味がすんなりと入ってくるはずだ。