CeBITから3カ月しか経っていないということもあり、冷却関連パーツの展示はこのレポートからそれほど違っていなかったのだが、いくつか気になる新製品も出ていた。ここではアップデートという形で報告するので、前述のレポートも参照していただければ幸いだ。
Thermaltake
Thermaltakeは「V14 Pro」「V1」といった扇形CPUクーラーを前面に押し出していたが、比較的ひっそりと展示されていたのが「Rotation」という製品。仮称ということで、製品名は変更になる可能性もあるとのことだが、その名前の通り、回転しているかのようなフィンが特徴的な製品だ。
最近ではあまり見かけなくなったブロワファンを搭載したCPUクーラーで、ヒートパイプは6本使用。フィンの角度が少しずつズレている理由は不明だが、隙間から出るエアフローでCPU周辺も冷却できそうだ。発売時期は未定となっている。
Cooler Master
エンジンのような形状のCPUクーラー「V8」の上位モデルとして、自動車のような形をした「V10」が新登場。トップフローとサイドフローの2つのファンを組み合わせたモデルで、CPU、ノースブリッジ、メモリ、MOSFETを同時に冷却するという。そのゴツい印象とは裏腹に、22dBAという静音性もウリの1つだ。
ヒートパイプは全部で10本。デュアルファンのCPUクーラーとしては、トップフロー型では水平に2つ並べるタイプ、サイドフロー型ではヒートシンクの両サイドに搭載するタイプが一般的だが、V10はファンの1つを水平、もう1つを垂直に配置したのが特徴。年内の発売を予定しているとのことだ。
ZALMAN
CNPS9700に代わるハイエンドCPUクーラーとして登場したのが「CNPS9900」。最近流行のセンターのファンを両サイドのフィンで挟み込むスタイルに変更されており、それに伴い、ファンの直径も大型化(12cmサイズ)された。またフィンは0.2mmという薄さで、軽量化と空気抵抗の低減を実現している。価格は95ドル程度とこちらもハイエンド。
Thermalright
「AXP-140」は、ホームシアターPC向けに開発されたCPUクーラー。ヒートパイプ6本、重量900gという本格的なCPUクーラーながら、高さはわずか7cmに抑えられており、ホームシアターPCのように高さの余裕がないPCでもハイエンドCPUを利用できる。ファンは12cmまたは14cm径のものを取り付け可能だ。
また、厚さが24.3mmに抑えられているVGAクーラーが「T-Rad2」。SLIやCrossFireなどのマルチグラフィック環境でも使いやすいよう考えられたもので、9cmファンを2つ、または12cmファンを1つ搭載可能となっている。NVIDIA GeForce 9800 GTX、ATI Radeon HD 3870/3850に対応する。
ASUSTeK Computer
全銅製のハイエンドCPUクーラーが「Royal Knight」。デザイン的にも特徴のあるこの製品は、ヒートパイプを6本採用。トップに搭載した11cmファンで強力に冷却する。また「Axe Square」は、180Wという高い冷却能力を謳うCPUクーラー。ヒートパイプは5本で、ベースは銅製、フィンはアルミ製となっている。どちらの製品も、発売は8~9月頃を予定している。