今月から世界各国で順次販売が開始される「Nokia 6220 classic」(以下6220c)は、名前が示す通りNokiaの伝統でもあるクラシカルなストレート形状をしたHSDPA対応携帯電話だ。価格は325ユーロ前後相当になる見込み。

形状はNokia伝統のキャンディーバースタイル。表面は光沢感ある仕上げで、6120 classicとはまた違った印象だ。一方背面は艶消しのシックな色合い

本体サイズは108×46.5×15.2mmと、現行機種で類似スタイルの「Nokia 6120 classic」(NTTドコモ NM705iのベースモデル)とほぼ同等だが、デザインはより落ち着いたものになっている。外観が類似していることから両者の機能は同等に思えるが、実は、6220cでスペックは大幅にアップしている。大きな特徴は以下の3点だ。

まず、6220cはGPSを内蔵している。A-GPSにも対応し、衛星の補足までの時間も早めだ。またNokiaの地図アプリケーション「Nokia Maps 2.0」が最初からインストールされている。GPSの起動は本体左側面の専用ボタンを押すだけと簡単だ。ふたつ目の特徴は高画質カメラの搭載。6220cのカメラはカールツァイス製の5メガピクセル、フラッシュはキセノンタイプで、これは同社のマルチメディア系端末では「N82」のみが搭載しているハイスペックなもの。そして写真撮影時には自動的に位置情報(GPSタグ)を記録することもできる。最後の特徴が、ビデオ出力ケーブルへの対応。6220cの画面をテレビ画面に映し出すことが可能で、撮影した写真や動画だけではなく、画面そのものを大画面で楽しむことができる。

背面にはカールツァイス5メガピクセルカメラとキセノンフラッシュを搭載。レンズカバーを開くことでカメラが起動する

カメラ使用中はN95(ソフトバンクX02NKのベースモデル)などマルチメディア系端末と同様の画質調整メニューが右側に出る

撮影した画像にGPSタグを自動的に保存できる「Location」機能。On/Offの切り替えが可能だ

このように「GPS」「高画質カメラ」「TV出力」を備えた6220cのターゲットは、旅行を楽しみ、写真や記録を残しておきたいと考えるユーザーなどだろう。搭載するシェアオンライン機能を利用すれば、FrickrやVoxやなどのWebサービスに写真を即座に投稿することも可能だ。そしてデジカメより小型でコンパクトなサイズは旅先でも荷物にならず、手軽に利用することができる。メディア再生機能なども備えているが、それはソフトウェアプラットフォームとして搭載するS60の標準機能でもあり、マルチメディアではなく「トラベラー」にフォーカスした製品であると言えそうだ。

GPSは左側面のボタンを押すと起動、衛星補足中は星型のライトが点灯する。Nokia Maps 2.0はあらかじめ販売国と近隣諸国の地図データがプリインストールされて出荷される

この他にもFMラジオ内蔵、PC向けWebサイトの閲覧に対応したブラウザやOffice文書閲覧アプリの搭載、モバイルウィジェットサービス「WidSets」のプリインストール、PCとのデータシンクロ機能などを備える。対応する通信方式はW-CDMA/HSDPA(900/2100MHz)とGSM/EDGE(850/900/1800/1900MHz)で、そのほか主なスペックは2.2インチQVGAディスプレイ、Symbian OS S60 3rd、内蔵メモリ70MB、micorSDカード(最大8GB)対応、Micro-USB端子など。ヘッドフォン端子は細身の2.5mmプラグを採用している。

香港での発表会の様子。海外旅行へ行った際の逸話などが語られ、6220cの便利さがアピールされていた。香港での価格は3,500香港ドル前後(約4万7,000円)が予定されている