東京都内にて1日、TVアニメ『君が主で執事が俺で』のDVD発売記念イベントが行われた。会場におよそ100名のファンが駆けつけるなか、久遠寺森羅役の伊藤静と久遠寺未有役の後藤邑子が登場。イベントならではの"ここだけ話"が満載の爆笑トークが繰り広げられた。今回は、出演者2人の絶妙な掛け合いを中心に、イベントの内容をダイジェストでお送りしよう。

久遠寺森羅役の伊藤静(左)と久遠寺未有役の後藤邑子(右)

TV放送は3月に終了。すでにアフレコなども終わっているにも関わらず、打ち上げが行われていないことに不満を表す2人という、イベント冒頭から波乱含みのスタート。トークの最初は、ファンからの要望も多かった「アフレコ中のエピソード」についてが赤裸々に語られた。

アドリブを何回もやり直すほど切ないことはない

「実際に絵が動いているのでこれまで以上にやりやすかった」と伊藤が話すのを受けて、現在もリリースが続いているドラマCDとTVアニメとのちがい、ということで……。

伊藤「ドラマCDはノリ?」
後藤「CDのほうが自由度は大きいですね。やっぱり尺が決まってないので、アドリブが入れ放題(笑)」

司会者から、アフレコの際、テイク毎にアドリブを変えていた、という話があって、

後藤「毎回変えるというより、いきなり言われるんですよ。テストをやって本番直前というときに、『そのセリフの後にアドリブお願いします』みたいに。それがまた結構長いの。それで私たち、なんの打ち合わせもなく本番でアドリブに入るみたいな。すごいスリリング(笑)」
伊藤「アドリブを何回もやり直すほど切ないことはないの。同じことは言いたくなかったりするから……」

ちなみに、3話の久遠寺フラッグの回で、オンエア版ではカットとなった森羅が未有を愛でるシーンは、すべてアドリブで、何回も録り直しがあったとか。DVD版にはしっかりと収録されているのでチェックしてみよう。

DVD版では未有の胸の形を可愛くすると聞いて……、
後藤「じゃあ、巨乳にしておいてください」
伊藤「それは、キャラ的にアウトでしょう」

メインヒロインなのに人気投票7位で微妙な位置……

2人からみた久遠寺夢役の水森志寿香(みなもりしずか)については、「みなもっちは癒し系」(後藤)ということでまとまったが、一方で役柄の「夢」については……、

ポスターに描かれた「夢」(ピンクの髪)を指差す後藤

後藤「夢かあ……」
伊藤「夢ねえ……」
後藤「とりあえず人気投票は7位でしたねえ。狙ったように」
伊藤「その位置をキープしてるのが、すごいよね」
後藤「もっと下であれば、こっちも突っ込みようがあるのに……。愛すべきキャラだと思いますよ。珍しいですよね、メインヒロインですごく微妙な位置にいるのって。特徴で『地味』って書かれるのってなかなかいないじゃないですか」
伊藤「ビジュアル的には一番正統派のヒロインって感じなのに」
後藤「私、よくこういう顔のキャラに声を当ててるような……。それでむしろ親近感がわくんですけど(笑)」

油断したあの立ち姿がよかったのに……

女性キャストが多く、女性同士でのセクハラまがいの行為も横行したというアフレコ現場にて……、

後藤「私たち後姿をみる習性があって。マイク前に立つときって、後姿が無防備になるでしょ、画面だけ見てるから。それを後ろからじっと見てたんですけど(笑)。それをぽろっと言っちゃったわけですよ。そしたら、先輩たちがみんな警戒するようになって。ずっと後ろを気にしながら……」
伊藤「油断したあの立ち姿がよかったのに」
後藤「そうなの。ちょっとダルっとしたところがよかったのに、ピシッと立つようになって……」
伊藤「残念だよね」
後藤「それだけが心残りですね」

ちなみにセクハラまがいの行為は女性だけでなく、大佐役の秋元羊介にも及んだとか……。アフレコ現場には、秋元羊介やたてかべ和也など、そうそうたるメンバーもそろっていたが、「どう考えても畏れ多いんですけど、きみあるの中ではそういう雰囲気に……」(後藤)

本作では数少ない男性キャラである主人公の上杉錬(右)と大佐(左)。錬は関智一、大佐は秋元羊介が声を担当している

何でもない感じで、むしろ健全に……

会場で流されていたエンディングの映像をみながら、

後藤「この後の"アナスタシア"がやばいんだよね。TVアニメのオンエアものとしてはかなり……。この後に"夢"がくるのがまたね……。悲しいくらい普通に見えますよね」
伊藤「何でもない感じで、むしろ健全に見えちゃうよね」
後藤「むしろね」

このあたりの映像はDVDでじっくり見ていただきたいところだが、この映像も製作段階ではそのまま放送するかかなり悩んだということを聞いて、

後藤「"アナスタシア"は、出てきた瞬間に放送コードぎりぎり、みたいな」
伊藤「アウトじゃないかと思うよね」
後藤「私たち現場で生の音声を聞いていて、『アウトでしょ、これ』って。そのくらいのレベルのことを、新人の女の子(千晶まひろ)なのに、すごいがんばってやってた」

"きみある"にはセクシーシーンが満載。DVD版ではさらに……

アフレコ現場で一番NGが多かったのは……

アフレコの現場で一番NGが多かったのは、という質問に、

後藤「生々しい話だと夢(水森志寿香)」
伊藤「まだ、アフレコに慣れてなかったから」

自分が新人のころ、共演者が口を聞いてくれなくなるくらい失敗をしたと語る後藤だが、

後藤「でも、うまくなってからその人たちに会うと、みんな優しいの(笑)。『覚えてるよ、デビューのとき』とか言われて」
伊藤「嫌な覚えられ方だ(笑)」
後藤「だから私たちも、みなもっちを忘れないと思う。あの勇姿を。がんばってたなあって……」
伊藤「夢がしゃべるところってセリフが速かったり、動きが多かったりで。夢の妄想の話のところとかってすごかったじゃん。しゃべりっぱなしだし」
後藤「"ユメドリーム"はホント一人でしゃべってたから」
伊藤「あれを、よくぞ乗り越えたって感じはするよね」
後藤「でも、あの"ユメドリーム"は恥ずかしいよね(笑)。あのノートを自分が書いてて、人に見られたらと思うと、ちょっと……」

「髪が長いところくらいかなー」

森羅とは結構シンクロしたと語る伊藤静

アフレコ現場での裏話に引き続いては、ファンから寄せられた質問コーナー。まず最初は「自分の演じている役と自分が似ていると思うところ」ということで、森羅役の伊藤は、

伊藤「髪が長いところくらいかなあ」
(会場から「エーッ」というブーイング)
伊藤「お酒が好きなところかなあ」
後藤「女の子が好きなところかなあ、大きな子どもみたいなところかなあ」
伊藤「いろいろあるね(笑)」
後藤「むしろ違う点をいっておいたほうが……」
伊藤「違う点……。前髪があるところくらい? 結構、ぶちゃけシンクロしちゃいました(笑)。本当にやりやすかったし。錬をいじるシーンとか、本当に楽しくてしょうがなかったので、『あ、似てるんだな』って思いました」
後藤「私もわりかし似てるといえば似てる。結構そこそこの良識人で……」
伊藤「ん?」
後藤「まだ前置きしか言ってないから。周りの人が結構ノールールな人が多かったので……」
伊藤「お前もな!」

ちなみに、左が伊藤静が演じる「久遠寺森羅」で、右が後藤邑子演じる「久遠寺未有」

DVDだったら、ここ編集点だね……

「自分以外の役でやってみたい役は?」という質問に、

伊藤「揚羽はおもしろそう」
後藤「揚羽は気分いいだろうなあ。美鳩とかも。やたら楽しそうなキャラが多いよね」
伊藤「南斗星がお肉を追っかけているところとか」
後藤「あれは見ていたいかな(笑)。とにかくリミッターのない役が基本多い」
伊藤「朱子なんて、どこまで氷青さんでどこまで朱子? みたいな」
後藤「氷青さんぴったりでした」

などと話が盛り上がる中、司会者から「やっぱり夢は出てこなかったですね」と突っ込まれて……、

後藤「夢やりたい!」
伊藤「夢やりたいよね」
後藤「DVDだったら、ここ編集点だよね(笑)」
伊藤「よかったね録画がなくて」
後藤「純粋に忘れてたんですよ」

「真の久遠寺家の主はどっちだ?」クイズ

引き続き行われたのがスケッチブックでクイズ大会「真の久遠寺家の主はどっちだ?」。

第1問「久遠寺森羅が指揮者として所属している楽団の名前を書け」に対する答え。ちなみに正解は「七浜フィルハーモニー交響楽団」

第2問「通称『大佐』の本名は?」、第3問「掃除係をおもに担当している執事の名前は?」はいずれも伊藤が正解。2対0で迎えた最終問題の得点が「3点」になったのはお約束……。

優勝をかけた最終問題は「自分が演じたキャラクターの似顔絵を描け」。伊藤曰く「絵心のある人(後藤)とない人(伊藤)」ということだったが……

結局、最終問題も来場者代表の判定で伊藤の勝利。伊藤は「うれしいけど……」と少々微妙な表情を浮かべた。

イベントの最後は大じゃんけん大会。サイン入りの台本などがプレゼントされた

『君が主で執事が俺で』のテレビ放送はすでに終了しているが、現在DVDが好評発売中。全5巻の予定で、第3巻は6月18日のリリース予定となっている。

6月18日発売予定のDVD第3巻のジャケットイメージ

(C) みなとそふと/きみある製作委員会