石井 隆一 富山県知事

IBMの大歳氏に続いて富山県知事 石井 隆一氏が、「環日本海地域の環境先端県を目指して - 産官学と県民総ぐるみのエコライフの推進 -」と題して講演を行った。

石井氏が講演の中で取り挙げたのがレジ袋削減。レジ袋削減は、全国的に動きが広がっているが、富山県でも消費者団体を中心に活動を行っていたが、マイバック持参率は20%前後で低迷していたという。そこで富山県では、昨年11月に県内全域での無料配布の廃止を決定。今年の4月から全国初の試みとしてスーパーで5円、クリーニング店で10円という有料化をスタートさせた。

レジ袋削減の意義

レジ袋無料配布廃止の経緯

スタート当初は、28社208店舗で実施されていたが、6月1日には35社273店舗に拡大。4月1カ月のマイバック持参率は93%という、行政側の予想を上回る効果を挙げたという。さらに、レジ袋の無料配布廃止に関するアンケート調査では、賛成者の数が廃止後のほうが高いというデータを示し、県民の意識レベルが上がったという副次効果があったことを明らかにした。

レジ袋無料配布廃止の広がり

レジ袋無料配布廃止に関するアンケート結果

また、石井氏は富山県の1990年と2005年の温室効果ガスの排出量の変化をグラフで示し、「産業界は努力しているが、民生の家庭部門と民生業務部門が3割増加している。地球温暖化対策をやるには、国民ひとりひとりがライフサイクルを変えないとどうにもならない」と語り、レジ袋の削減は、誰でも簡単にでき、行動が目に見えるので、エコライフのシンボルにしたいと述べた。

富山県における二酸化炭素排出量の変化

石井知事は講演中、いつも持ち歩いているというマイバックを披露した