日本ビクターは11日、デジタルオーディオプレーヤー「alneo」シリーズの新モデル「XA-V80」「XA-V40」「XA-V20」を発表した。XA-V80は8GB、XA-V40は4GB、XA-V20は2GBのフラッシュメモリーを内蔵している。発売は7月上旬を予定しており、価格はオープン。市場価格は、XA-V80が2万7,000円前後、XA-V40が2万4,000円前後、XA-V20が1万9,000円前後と予想される。
同社のデジタルオーディオプレーヤーは、エントリークラスの「XA-S」シリーズと、高音質タイプの「XA-C」シリーズの2系統が存在する。新モデルのXA-Vは、XA-Cの後継ということになるのだが、機能的には、XA-Cとはまったく別物。XA-Cでは、左右独立タイプのステレオマイクを搭載し、リニアPCMでの録音もサポートするICレコーダー機能や、FMチューナー機能、ライン入力からのダイレクトレコーディング機能などが搭載されるなど、高音質なプレーヤーではあるが、マルチに使えるデジタルツールという面も持ち合わせていた。それに対して、新モデルのXA-Vではそれらの機能は搭載されていない代わりに、動画再生機能が搭載されており、より再生に特化したモデルとなっている。
最近のデジタルオーディオプレーヤーでは、圧縮時に失われた高域成分などを補完する機能が搭載されている製品が増えてきている。XA-Vに搭載されているK2テクノロジーも、圧縮音楽の補完機能を備えている。ただし、K2テクノロジーが行うのはそれだけではなく、bit拡張やD/A変換、A/D変換による音質の劣化の補完も行うというものだ。これにより、128kbps程度のビットレートでエンコードされた圧縮音楽を、CDと同程度のクォリティで再生することが可能となる。さらに、よりビットレートの高いソースやリニアPCMのソースに対しても、効果を発揮し、最大で24bit/96kHzへの拡張を可能としている。
XA-Vシリーズの高音質化は、このK2テクノロジーの搭載だけではない。同社のエンジニア(ハードウェアの)と、ビクタースタジオのレコーディングエンジニアとの協同で、スタジオモニター用のヘッドホンをつないだ場合に、レコーディングスタジオと同じサウンドを実現できるようにチューニングされているという。
さらに、使用しているヘッドホンの特性などに合わせて、Alneoの音質を設定する「サウンド工房」も搭載。プリセットされた設定を使用することも可能だが、テストトーンを使用して、周波数特性などを、より精細にコントロールすることも可能だ。
再生可能な音声ファイル型式は、MP3(8kbps~320kbps:VBR対応)、WMA(8kbps~320kbps:VBR対応)、リニアPCM(16bit)。WMAはDRM 10にも対応する。また、動画はWMVに対応。映像のビットレートは384kbpsにまで、音声のビットレートは128kbpsにまで対応する。搭載するディスプレイは、2インチ320×240ピクセル。
電源は、内蔵リチウムイオンバッテリーで、3.5時間の充電で、音声は最大約25.5時間(MP3/128bpsの場合)、動画は約6時間の連続再生が可能だ。