「820N」(NEC製)

ソフトバンクモバイルは3日、ソフトバンク3G携帯電話の新製品「820N」(NEC製)を発表した。厚さ11.7mmのステンレス製薄型ボディにワンセグを搭載した、折りたたみ型の携帯電話。発売は7月上旬以降を予定している。

NECとしては実に約1年半ぶりとなるソフトバンクモバイル向けの機種。メインディスプレイは、3インチのワイドQVGA(240×400ドット) TFT液晶。照度センサーによる輝度自動調整や、液晶の照度を落とすことで操作している本人以外から画面を見えにくくするプライバシーアングル機能を備える。

820Nは、ソフトバンク向けの機種としては「異端」な面が少なからず見受けられる。通常ソフトバンク向け機種では、方向キー中央の「決定」ボタンにトップメニュー表示が割り当てられるが、この820Nと同時発表された同系機の821N・821N GLAには、方向キーの左下に専用のメニューボタン(マルチボタン兼用)が割り当てられている。

右からブルー、ガンメタリック、ブロンズ、シルバー、レッド

ソフトバンク携帯では珍しい、独立したメニューキー(マルチキー兼用)が特徴のテンキー部分

待ち受け画面でショートカットキーを押すと利用できる「ともでん」機能は、ドコモで言う「直デン」機能

FOMAでおなじみの「デスクトップ」も搭載

また、細かい違いは見受けられるものの、ソフト面でもNECがドコモのFOMA向け機種に搭載してきた機能がいくつも顔を覗かせている。待受画面の「デスクトップ機能」や、ライフヒストリービューア、クイック検索など、数え上げたら切りがない。以下の写真で、それらの一部を紹介しよう。

クイック検索

ライフヒストリービューア

通常タイプ(左)とPicsel製のビューアタイプ(右)の2種類のフルブラウザを備えるのもFOMAと同じ

写真には掲載していないが、Yahoo!ケータイ用ブラウザにおいて「ワンタッチマルチウィンドウ」を搭載しているのも、ドコモ向け機種と同様である。説明員によると、「(ソフトバンク向けとして)久々のNEC製の端末なので、『NECらしさ』を出すことに重点を置いた。結果的に(NECの)ドコモ向けの端末と似た機能が多くなった」とのことである。ドコモ、特にNEC製の機種を使ってきたユーザーが、820Nでソフトバンクに乗り換えると、違和感を極小に抑えられるだろう。

ソフト面での説明に終始してしまったが、820Nは、ワンセグを始めとして、3Gハイスピード(HSDPA)、3Gローミング機能など、ハードウェア面での基礎体力(機能)もしっかりしている。ただし、TVコールには対応するものの、内側カメラが省略されている点、S! FeliCa(お財布ケータイ)が無い点、新型絵文字以外の新サービスには対応していない点などには注意が必要だ。

(井上翔/K-MAX)

通信方式 国内 W-CDMA方式
海外 W-CDMA方式
サイズ 約49×107×11.7mm(折りたたみ時、突起部除く)
重さ 約102g
連続通話時間/待受時間 約250分/約630時間(静止状態・折りたたみ時)
ワンセグ連続視聴時間 約4時間40分
ディスプレイ メイン 約3.0インチQVGA(240×427ドット)TFT液晶(最大26万色)
サブ 7×17ドット 赤色LED
カメラ メイン 有効画素数約200万画素CMOS
サブ
外部メモリー(推奨容量) microSDカード(最大2GB)
カラーバリエーション ガンメタリック、ブロンズ、シルバー、レッド、ブルー