ヤマハ発動機は9日、ATV(All Terrain Vehicle :不整地走行に適した一人乗り四輪ビークル)の2009年モデルとして、新製品の「グリズリー550FI (GRIZZLY 550FI)」と「YFM90R」を含む7機種を発売する。グリズリー550FIの価格は86万9,400円で発売は9月1日より、YFM90Rは34万4,000円で10月1日より発売される。いずれも公道走行は不可。
ATVは不整地走行に適したエンジンを頑丈な車体に搭載し、専用バルーンタイヤを装着した一人乗り四輪ビークル。砂地や岩場、傾斜地、草地、凍結路面などの路面で優れた走行性、機動性を備える。ヤマハのラインナップとしては、農林業、酪農、警備などに適した実用タイプ(グリズリー)と、純粋に走りを楽しむスポーツタイプ(YFM・YFZ)がある。国内需要は合わせて年間約500台規模(ヤマハ調べ)。
「グリズリー 550FI」は実用タイプATVの最新モデル。上に「グリズリー 700FI」、下に「グリズリー 125」をラインナップしており、中間モデルにあたる。エンジンは水冷4ストローク単気筒558cm3で、フューエルインジェクションを組み合わせる。下り坂でも安定したエンジンブレーキ効果が得られるCVT(Vベルト自動無段変速)を介し、4輪を駆動する。シフトは低速、高速、ニュートラル、リバース/パーキングが可能。駆動は4輪のほか、2輪駆動、デフロック4輪駆動も選択できる。サスペンションは悪路走行時でもタイヤ接地面の変化が少ないダブルウィッシュボーンとし、優れた走行性を得ている。前後に大型キャリアを装備。車両重量は294kg。
「YFM90R」は強制空冷式4ストローク88cm3エンジンを搭載し、変速操作が不要なCVTを採用。誰でも扱いやすいモデルとした。また、駆動は後輪のみとなっている。フロントのサスペンションには、ダブルウィッシュボーン式を採用、リアブレーキには上級モデルと同様の油圧式のディスクブレーキを採用した。そのほか、始動が容易なセルフスターター、パーキングブレーキ、樹脂製フロントガードなどを装備している。車両重量は120kg。
昨年から引き続き発売されるモデルは、「グリズリー 700FI」(103万2,150円)、「グリズリー 125」(38万6,400円)、「YFZ450」(95万3,400円)、「YFM350R」(60万6,900円)、「YFM250R」(50万1,900円)の5機種。発売日はいずれも7月1日からとなる。