東京写真展案内では、東京都内で開催される写真展をカメラ会社が運営するギャラリーを中心に紹介していく。今週のオススメは、富士フイルムフォトサロン東京で開催されている日本自然科学写真協会第29回SSP展「自然の中の不思議を知る2008」。動物、自然風景、顕微鏡、科学など様々な分野の自然の不思議を写真を通して紹介する。このほかにも、昭和37年に行われた民俗学者の全国調査の旅の様子を収めたものや、大阪を闊歩する女性たちの華やかさと影をとらえた作品など、興味深い写真展が多数。お気に入りの展覧会を見つけ、是非足を運んでいただきたい。

コニカミノルタプラザ

松本茂高写真展「アラスカ~Last Sanctuary最後の聖域」

私の初めての海外体験はアラスカであった。以来、極北の大地をゆったりと流れる壮大な時間に惹かれ、自分の身をそこに置くという大きな目的が生まれ、そのためのライフスタイルが始まった。そして、幾度もの旅を繰り返し、気がつけば14年の歳月が流れていた。―作者コメントより

(c) 松本茂高

展覧会名 「アラスカ~Last Sanctuary最後の聖域」
作家 松本茂高
展示作品 カラープリント 全倍 約35点
会期 5月31日~6月9日
会場 コニカミノルタプラザギャラリーA 東京都新宿区新宿3-26-11新宿高野ビル4F
開館時間 10:30~19:00(最終日は15:00まで) 年中無休

コニカミノルタプラザ特別企画展 地球の上に生きる2008 DAYS JAPANフォトジャーナリズム写真展

コニカミノルタプラザがフォトジャーナリズム誌『DAYS JAPAN』との共催で開催する写真展。戦争・災害、地球温暖化の影響など地球の真実の姿を伝える世界のフォトジャーナリストたちの作品の数々を展示する。世界46カ国から寄せられた4,700点の写真から選ばれた2008年度DAYS国際フォトジャーナリズム大賞受賞作品約50点も展示される。

展覧会名 地球の上に生きる2008 DAYS JAPANフォトジャーナリズム写真展
展示作品 カラー・モノクロプリント 半切~全倍 約100点
会期 5月31日~6月19日
会場 コニカミノルタプラザギャラリーB・C 東京都新宿区新宿3-26-11新宿高野ビル4F
開館時間 10:30~19:00(最終日は15:00まで) 年中無休

「溶けていくグリーンランド」 (c)ウリエル・シナイ

島内治彦写真展「記憶の中の風景」

作者は街歩きを楽しみながら地方都市の風景をカメラに収めてきた。「これからも気ままに足の向くまま、被写体との距離を計りつつ撮り続けたい」と述べる作者のモノクロ作品を展示。

展覧会名 「記憶の中の風景」
展示作品 モノクロプリント 大四切 約50点
会期 6月10日~6月19日
会場 コニカミノルタプラザギャラリーA 東京都新宿区新宿3-26-11新宿高野ビル4F
開館時間 10:30~19:00(最終日は15:00まで) 年中無休

オリンパスフォトギャラリー

「東京写真月間2008」芳賀日出男写真展「宮本常一と歩いた九州…昭和37年」

作者は昭和37年に民俗学者宮本常一の全国調査の旅に同行し、写真を撮った。雑誌の企画のためであったが旅の途中で企画は没になり、写真は一度も使われることはなかった。今回宮本の生誕百年目を迎え、それらの写真が東京写真月間にあわせて日の目を見ることになった。

展覧会名 「宮本常一と歩いた九州…昭和37年」
作家 芳賀日出男
展示作品 半切・モノクロ 62点
会期 6月5日~6月11日
会場 オリンパスギャラリー東京 東京都千代田区神田小川町1-3-1 NBF小川町ビル
開館時間 10:00~18:00(最終日は15:00まで) 日曜・祝日休館

(c)芳賀日出男


ペンタックスフォーラム

アジアの写真家たち2008シンガポール「Preserved Nature」

シンガポールを代表する写真家のひとり、クリス・ヤップ氏の写真展。「誕生から死」や「開花爛漫から落花」などの自然現象を人間の生命のはかなさや感情のもろさのイメージとダブらせる。植物の生態写真を通じて新しい表現方法を追求する写真展。

展覧会名 「Preserved Nature」
作家 クリス・ヤップ
展示作品 約17点
会期 5月28日~6月9日
会場 ペンタックスフォーラム 東京都新宿区西新宿1-25-1 新宿センタービルMB
開館時間 10:30~18:30(最終日は16:00まで) 火曜日休館

(c)Chris Yap


ライカ銀座店サロン

上田義彦写真展「at Home」

日本写真界の第一線で活躍している写真家・上田義彦の写真展。妻である桐島かれんと4人の子供たちを13年間にわたり撮影した作品集の中から、厳選された14点の写真を展示する。

展覧会名 「at Home」
作家 上田義彦
展示作品 14点
会期 4月18日~7月20日
会場 ライカ銀座店サロン 東京都中央区銀座6-4-1
開館時間 11:00~7:00 月曜日休館

(c) Yoshihiko Ueda


富士フイルムフォトサロン 東京

日本自然科学写真協会第29回SSP展「自然の中の不思議を知る2008」

日本科学写真協会(SSP)は、「自然」と「科学」を写真でつなぐことを目的として設立された全国組織の写真団体。動物、自然風景、顕微鏡、科学など様々な分野を写真を通して紹介する。今回の写真展では著名な作家をはじめ会員の作品を展示し、自然の中の不思議を伝える。

展覧会名 「自然の中の不思議を知る2008」
作家 日本自然科学写真協会会員
会期 6月6日~6月12日
会場 富士フイルムフォトサロン東京スペース1・2 港区赤坂9-7-3フジフイルムスクエア2F
開館時間 11:00~20:00(最終日は14:00まで)

岩本直樹「雪晴れの西穂高岳」

吉本睦子写真展「自然の中を生きる動物達」

動物たちが自然の中にたくましく生きる姿やかわいい仕草、親子の愛情が感じられるシーンなどに作者自身が惹かれて撮影したもの。作者は温暖化や乱獲で動物たちの数が減っている様を目にし、「長い間続けられて来た営みを、次の世代に残さなくては」と訴えている。

展覧会名 「自然の中を生きる動物達」
作家 吉本睦子
会期 6月6日~6月12日
会場 富士フイルムフォトサロン東京スペース3 港区赤坂9-7-3フジフイルムスクエア2F
開館時間 11:00~20:00(最終日は14:00まで)

吉本睦子「熊 アラスカ」


キヤノンギャラリー銀座

杉本征克写真展「娘今様歌」

大阪・心斎橋界隈を華やかに闊歩する女性たちのスナップ作品。一見すると人生を謳歌しているような彼女たちには、その外見とは裏腹の孤独や空虚さが感じられる……と述べる作者が、記号化・画一化・コピー化していく現代文明の姿を描き出す。

展覧会名 「娘今様歌」
作家 杉本征克
会期 6月5日~6月11日
会場 キヤノンギャラリー銀座 東京都中央区銀座3-9-7
開館時間 10:00~19:00(最終日は16:00まで) 日曜、祝日休館

(c)杉本征克


キヤノンギャラリーS

熊切圭介写真展「揺れ動いた'60年代の光と影」

日本の高度経済成長期に写真家として活動を始めた熊切圭介氏の作品展。戦後の混乱期を経て池田内閣の「所得倍増計画」のもと豊かさを求めてがむしゃらに働く人々の姿、急激な工業化の中で疲弊していく国土の様子など、「光」と「影」の部分を宿す60年代の世相をジャーナリズムの視点からとらえた全モノクロ写真100点余りを展示。

展覧会名 「揺れ動いた'60年代の光と影」
作家 熊切圭介
会期 5月9日~6月17日
会場 キヤノンギャラリーS 東京都港区港南2-16-6キヤノンSタワー1階
開館時間 10:00~17:30 日曜、祝日休館

(c) 熊切圭介


銀座ニコンサロン

宮本常一展「宮本常一が歩いた日本… 昭和37年~39年」

作家司馬遼太郎をして「この人ほど日本の国土を知り尽くしている人はいない」と言わしめた民俗学者宮本常一は、民俗調査として日本全国を歩き、調査地や途上の列車やバスの中から気にかかる物を写真に収めた。その数約9万枚余り。今回の写真展では、宮本の遺した写真群の中から昭和37年から39年にいたる日本の地方の写真を選んで構成した。

展覧会名 「宮本常一が歩いた日本… 昭和37年~39年」
作家 宮本常一
会期 5月28日~6月10日
会場 銀座ニコンサロン 東京都中央区銀座7-10-1STRATA GINZA1階
開館時間 10:00~19:00(最終日は16:00まで) 会期中無休

新宿ニコンサロン

松井一泰展「カントリーマアク」

作者は毎日生活圏である山あいの田舎町とその周辺を中心に撮影している。休日などには車でさらに山の奥へ行ったり、海沿いの町へ出かけては撮影をしている。自然と人間・人工物が入り交じった所に作者はとても魅力を感じ、現れてくる写真から何かを見つけたいと考えているという。

展覧会名 「カントリーマアク」
作家 松井一泰
展示作品 カラー66点
会期 6月3日~6月9日
会場 新宿ニコンサロン 東京都新宿区西新宿1-6-1新宿エルタワー28階
開館時間 10:00~19:00(最終日は16:00まで) 会期中無休