ヤマハ発動機は、500ccの水冷2気筒エンジンを搭載するオートマチック・スポーツコミューター「XP500 TMAX(ティーマックス)」について、新設計オールアルミ製フレームを採用するなどのモデルチェンジを行ない、2008年7月30日より発売する。価格は94万5,000円。
「TMAX」の初代モデルは2001年から欧州・日本で順次導入された。DOHC 2気筒CVTエンジンをスイングアーム(ユニットスイング)ではなく、ダイヤモンド型フレームに搭載、スポーツバイクと同様のフロントフォークを採用するなど、ほかのスクーターとは一線を画するスポーツ性をもち、"オートマチックスーパースポーツ"として人気を得た。その後2004年にインジェクションの採用やリアタイヤ径アップ(14→15インチ/前後ラジアルタイヤ採用)、フロントダブルディスクブレーキ採用などで熟成を進めてきた。
新型「XP500 TMAX」は、この初代のキャラクターを継承しつつ、パフォーマンスとクオリティのさらなるレベルアップを行なっている。エンジンから電装、ボディ、環境性能まで最新技術を投入した。本モデルはすでに欧州で発売されており、2008年1~4月で1万台以上が登録された。
エンジンは、上質な走行性を引き出すため吸気系を最適化した。新設計のエアクリーナーをフレーム中央のトンネル内に配置し、吸気効率を向上。マフラーも新しくなった。フレームには新設計の軽量高剛性アルミ製フレーム(CFアルミダイキャスト)を採用。スポーツ性とユーティリティを高次元で調和させている。
フロントには120/70-15サイズのラジアルタイヤを採用。これで前後とも15インチとなった。フロントフォークのインナーチューブ径を43mmにアップ(現行φ41mm)。このほか、ステアリング軸受けボールベアリング径変更(各47mm→55mm)、フロントまわりのディメンション最適化などを施し、軽快な走行性を引き出した。また軽量3本スポークアルミ製中空ダイキャストホイールを前後に採用した。
外観では、2分割式フロントスクリーンを新たに採用し、フロントフェンダーもダウンフォース感を強調するとともに、優れたラジエターへの導風効果を達成した。リアビューは従来のイメージを残しながらよりシャープなデザインを採用した。新作メーターパネルは、キー穴を中央に配した左右対称タイプで、文字面に傾斜を設け立体的に視認できるようにした。
そのほかの変更点としては、モノブロックタイプの4ポットフロントキャリパーの採用、足着き性の向上と乗り心地を両立させる新シート、リアヒンジ式シート開閉システム、フロントトランク、15L(リッター)のタンク(従来は14L)などがある。
主な仕様は、全長2,195mm×全幅775mm×全高1,445mm、ホイールベース1,580mm、シート高800mm、車両重量222kg、水冷・4ストロークDOHC 並列2気筒エンジン、499cm3(ボア66.0×ストローク73.0mm)、最高出力28kW(38PS)/7,000rpm、最大トルク44N・m(4.5kgf・m)/5,500rpm、Vベルト式無段変速、セル式スターター、タンク容量15L、タイヤ:前120/70R15 M/C 56H 後160/60R15 M/C 67H、燃費25km/L(60km/h定地走行テスト値)。