台湾ASUSTeK Computerは3日、開催中のCOMPUTEX TAIPEIにおいて、低価格ノートPC「Eee PC」シリーズの新モデル「Eee PC 901」「同 1000」「同 1000H 」を発表した。新たにIntelのAtomプロセッサを搭載したモデル。またブースでは、Eee PCのデスクトップ版となる「Eee Box」も展示されていた。

新モデルは8.9インチの901と10インチの1000/1000H

Eee PCとしては初めてAtomプロセッサを搭載した

Eee PCは、実売5万円を切るという低価格により、日本でも大ヒットを記録したノートPC。こういった低価格ノートはIntelが「Netbook」と呼び始め、各社が製品を投入してきているが、ASUSのEee PCはその"元祖"とも言える存在だ。COMPUTEXの初日、しかも午前11時という早い時間帯に発表会を開催するあたりからも、同社の自信が窺い知れる。

発表会は美男美女のモデルが登場するハデなものだった

これまでのEee PCではプロセッサにCeleron Mが搭載されていたが(仕様上はIntelの"モバイルCPU"としか書かれていない)、新モデルでは初めてAtomを採用したのが特徴。モデルナンバーや動作クロックについては明らかにされていないものの、デモ機では「N270」「1.6GHz」という数字が確認できた。

デモ機ではAtom N270が搭載されていた

ディスプレイ解像度はどれも1,024×600

プロセッサ自身の省電力化に加え、新たに省電力機能の「Super Hybrid Engine」も搭載。バッテリ駆動時間は最大7.8時間にまで延長されている。この機能はCPUの動作クロックや電圧などを制御するもので、「自動」「スーパーパフォーマンス」「ハイパフォーマンス」「パワーセービング」の4つのモードが用意されているとのことだ。

Eee PCの省電力性能

Atom世代のEee PCとして、今回、901/1000/1000Hの3モデルが発表された。901は8.9インチディスプレイを搭載するもので、900のマイナーチェンジと言えるだろう。一方、1000と1000Hはディスプレイがさらに10インチに大型化されたモデルで、1000は40GBのSSD、1000Hは80GBのHDDを搭載する。また無線LANは全モデルとも、最新のIEEE 802.11nになっている。

901の左側面

右側面

各モデルの主な仕様は以下の通り。なおカラーは、サクラ、スイートピーなど6色が用意されている。

モデル Eee PC 901 Eee PC 1000 Eee PC 1000H
CPU Atom
メモリ 1GB
ストレージ SSD 12GB/20GB SSD 40GB HDD 80GB
ディスプレイ 8.9インチ 10インチ
OS Win XP/Linux Linux Win XP/Linux
バッテリ駆動 4.2~7.8時間 4.2~7.5時間 3.2~7時間
重量 1.1kg 1.33kg 1.45kg

台湾での価格と発売日は、901が6月3日で16,988台湾ドル(5万8千円程度)、1000が6月下旬で19,988台湾ドル(6万8千円程度)、1000Hが6月13日で18,988台湾ドル(6万5千円程度)。日本での発売は未定だが、Atom搭載モデルが全く出ないというのはマーケティング的に考えにくいので、いずれかのモデルが発売されるのではないだろうか。

またCOMPUTEX会場の同社ブースでは、デスクトップ版の「Eee PC」と言える「Eee Box」も展示されていた。詳細なスペックは明らかになっていなかったが、こちらもプロセッサにはAtomを搭載しているようだ。ストレージはHDDを採用。容量わずか1リットルという省スペース性が特徴で、液晶モニターの後ろにマウントすることも可能。

容量がわずか1リットルという「Eee Box」。重さは1kg

背面のI/Oインタフェース。DVI端子を装備している

ブースの担当者によると、台湾での発売は6月半ば~末になる見込みで、価格は300米ドル以下とのこと。しかし、こちらも日本での発売は未定だ。