日本シーゲイトは、Seagate TechnologyのHDD製品出荷累計10億台を記念し、HDDの歩みを紹介する説明会を開催した。
日本シーゲイト代表取締役社長の小林剛氏は、Seagate Technology設立からの歴史を紹介した。Seagateの設立は1979年。当時の社名はShugart Technologyであり、アル・シュガート氏、ファイニス・コナー氏、トム・ミッチェル氏、サイエド・イフティカー氏、ダグ・メイホン氏の5人の起業家によって設立された。そこから29年経った現在、同社は製品出荷10億台を達成した。
Segateが大きく発展した背景として、小林剛氏はSeagateが買収してきたメーカーを1枚のスライドにまとめて紹介した。代表的なメーカーだけとっても、Imprimis、Conner、Quantum、Maxtorなど時代時代で広く知られた社名が並んでいる。HDDメーカーは、かつて数多く存在していたが、それらは統廃合を繰り返し、大手はSeagateを含む7社となっている現状も紹介した。
拡大してもほとんど文字が読めないと思われるが、これまで数多くの企業がHDDに関わってきた |
Seagateは、Imprimis、Conner、Quantum、Maxtorなどを買収しそれらのHDD技術、製造技術、ソフトウェアなどを吸収してきた |
淘汰を繰り返してきたHDD業界だが、データ記録に対するニーズは日々高まっている。オフィス向けも、そしてホーム向けも同様の傾向だ。そしてよく用いられる統計だが、近年はとくにホーム向け需要が大きく、「これまでの10億台はオフィスのデジタル化、これからの10億台は家庭のデジタル化」とまとめられている。小林剛氏が要因としてあげたのは、「ハイビジョン化」に代表されるような大容量コンテンツの急増、高速ネットワークによるアップロード・ダウンロード回線容量の拡大、ユーザー制作コンテンツのさらなる急増や、既存の物理的なコンテンツの変化、そしてAV家電や携帯電話、車などでのデジタルコンテンツの利用など。とくに最後の非PC向けのストレージや、PCと非PCとの間でデジタルデータをシームレスに移動させるためのストレージ製品に対する製品の拡充を図っているという。
このような需要増を背景に、同社では次の10億台は今後5年で実現するだろうと予測、今後数年にわたり、この拡大傾向が継続するものと見ている。ただし、ストレージ市場も多様化を見せており、特にノートPC分野では新たなデバイスであるSSDが登場してきている。同社はすでにフラッシュメモリを搭載したハイブリッドHDDを出荷しているが、今後はSSDにも参入する見込みだ。小林剛氏は、具体的にはまだ発表段階ではないとするものの、今年中には何かしらのアクションがあるとの見通しを示している。
説明会では、同社29年のHDDの歩みをふり返る「ハードディスク今・昔」も合わせて紹介があった。同社初のHDD製品となるのは1980年に発売した「ST506」。ST506は、サイズが5.25インチフルハイト、プラッタは2枚で容量が5MB、回転数は3600rpmで、価格は1500ドルといった製品だ。これを現在のCheetah 15K.6と性能比較した表も紹介された。
サイズで見ると、1980年当初5.25インチフルハイトドライブでスタートし、1984年の「ST225」ではこれがハーフハイトに小型化され、容量は4倍の20MBへとアップした。さらに同社は1987~88年に3.5インチドライブ、1991年に2.5インチ、2004年には1インチドライブに参入している。回転数では、1992年に7,200rpm、1996年にはCheetahシリーズで10,000rpmを実現し、2000年にはCheetahシリーズが15,000rpmと回転数を更新している。こうしたサイズや回転速度、そしてそれぞれの世代による容量増を実現可能とした技術も合わせて紹介された。