台湾のVIA Technologiesは5月29日(北京時間)、「VIA Nano」プロセッサを発表した。スリム・軽量ノートPC、UMPC、小型デスクトップPC、デジタルエンターテインメントセンターなどを主な製品ターゲットに電力効率を高めたx86互換プロセッサで、これまで"Isaiah"のコードネームで開発されていた。
Nanoは64bitのSuperscalar Speculative Out-Of-Orderマイクロアーキテクチャを搭載。Macro-fusionおよびMicro-fusion機能を備え、64bitの命令セットをフルサポートする。L1キャッシュは命令とデータがそれぞれ64KB、16way構成のL2キャッシュは1MB。FSBはVIA V4で、800MHzから1333MHzまでに対応する。新しいSSE命令をサポートするほか、新アルゴリズムの採用でC7の課題だった浮動小数点演算が高速化された。HDビデオや3Dゲームなど、マルチメディアアプリケーションがスムースに動作するパフォーマンスを実現しているという。
省電力面では、TwinTurbo PLLや新しい温度モニタリングを備えたAdaptive PowerSaverテクノロジを採用。C6ステートでキャッシュの消費電力も抑えられる。セキュリティ機能として、ランダムナンバージェネレータ(RNG)、AES暗号化エンジン、SHA-1およびSHA-256ハッシングを含む「PadLock Security Engine」を搭載する。
パッケージは21×21mmのnanoBGA2。C7とのピン互換が確保されている。製造は富士通の65nmプロセスルールで行われる。
製品ラインナップは、メインストリームのデスクトップPCとモバイルPC向けのLシリーズと超小型デスクトップやモバイル端末向けの超低電圧版Uシリーズの2つ。
モデル名 | 動作クロック | FSB | TDP Max |
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VIA Nano L2100 | 1.8GHz | 800MHz | 25W |
VIA Nano L2200 | 1.6GHz | 800MHz | 17W |
VIA Nano U2400 | 1.3+GHz | 800MHz | 8W |
VIA Nano U2500 | 1.2GHz | 800MHz | 6.8W |
VIA Nano U2300 | 1.0GHz | 800MHz | 5W |
すでにOEMやマザーボード・ベンダー向けの出荷が開始されており、2008年第3四半期にはVIA Nanoを搭載したシステムが登場する見通しだ。