日本ヒューレット・パッカードは5月22日、x86サーバ「HP ProLiant」、パーソナルワークステーション「HP Workstation」で、クアッドコアのAMD Opteron搭載モデルを発売すると発表した。

クアッドコア AMD Opteronを搭載したサーバ「HP ProLiant」(写真左)、ワークステーション「HP Workstation」(写真右)。後ろは、日本HP 松本芳武氏(左)、AMD 橘一特氏(右)

AMDとの協業がHPのシェア拡大につながったことを説明する日本HP 執行役員 エンタープライズストレージ・サーバ事業統括 松本芳武氏

都内で行われた発表会では、日本HP 執行役員 エンタープライズストレージ・サーバ事業統括 松本芳武氏がAMDとの協業について説明。コストパフォーマンスに優れた製品を、モバイルからデスクトップ、ワークステーション、サーバーまで幅広い分野で提供してきたとした。特に、最先端の技術を市場に投入するためにAMDは欠かせなかったことを強調した。日本国内の「HP ProLiant」においては、国内シェアにおけるAMD搭載マシンの出荷台数の割合が急上昇していることを示し、HPのシェア拡大にAMDが貢献していると説明。新たな市場の開拓についても、AMDとの協業が有効であったとした。

クアッドコア AMD Opteron搭載新製品を紹介する日本HP エンタープライズストレージ・サーバ事業統括 ISSビジネス本部 本部長 橘一徳氏

日本HP エンタープライズストレージ・サーバ事業統括 ISSビジネス本部 本部長 橘一徳氏が新製品を紹介。新市場を獲得するために8ソケットサーバ「HP ProLiant DL785 G5」、ラックマウント型を拡充する「HP ProLiant DL585 G5」「HP ProLiant DL385 G5」「HP ProLiant DL365 G5」「HP ProLiant DL165 G5」、ブレード型「HP ProLiant DL685c G5」「HP ProLiant DL465c G5」、ワークステーション「HP xw9400 Workstation」を投入する。

製品名 特徴 価格
ラックマウント型サーバ
HP ProLiant DL785 G5 8ソケット、AMD Opteron 8300番台搭載 225万7,500円から
HP ProLiant DL585 G5 4ソケット、AMD Opteron 8300番台搭載 121万8,000円から
HP ProLiant DL385 G5 2ソケット、AMD Opteron 2300番台搭載 26万6,700円から
HP ProLiant DL365 G5 27万3,000円から
HP ProLiant DL165 G5 15万5,400円から
ブレード型サーバ
HP ProLiant DL685c G5 4ソケット、AMD Opteron 8300番台搭載 128万1,000円から
HP ProLiant DL465c G5 2ソケット、AMD Opteron 2300番台搭載 31万9,200円から
パーソナルワークステーション
HP xw9400 Workstation 水冷、AMD Opteron 2356搭載 56万700円から

AMD 取締役 マーケティング本部 本部長 吉沢俊介氏は、AMD Opteronについて解説

このほか、AMD 取締役 マーケティング本部 本部長 吉沢俊介氏がCPUテクノロジーについて説明。クアッドコア AMD Opteronは、プラットフォームはそのままに、コアやキャッシュ、浮動小数点演算を大幅に改良。仮想化技術を取り入れ、電力効率も高いCPUであると解説した。現在は4コアの「Barcelona」だが、2008年度2Qには6Mのキャッシュを搭載した「Shanghai」、2009年度後半には6コアの「Istanbul」、2010年度には12コアの「Magny-Cours」を投入するとした。

「HP ProLiant」詳細

HPは、フラッグシップモデル「HP ProLiant DL785 G5」で8ソケットに再参入したことになる。2006年に8ソケットサーバを用意していたが、プロセッサのマルチ化が進むまでフラッグシップモデルを4ソケットにする戦略を推進。今回、スケールアップが可能なクアッドコアプロセッサの登場、ハイパフォーマンスコンピューティングを実現できるx86アーキテクチャの需要の高まりにより、8ソケットを再投入することになった。

フラッグシップモデルの8ソケットサーバ「HP ProLiant DL785 G5」

「HP ProLiant DL785 G5」の内部。CPUボードは、4基もしくは8基セットで利用可能

筐体は7Uラックマウントサーバで、4/8ソケット(最大32コア)で提供。クアッドコア AMD Opteron 8354(2.2GHz) / 8356(2.3GHz)が選べ、メモリは64 DDR2 DIMMスロット(最大256GB)、内蔵ストレージは8(標準)+8(オプション) SFF SASドライブ・ベイ(内蔵RAIDサポート)とリムーバブルDVDドライブ、ネットワークは内蔵デュアルギガビットNIC×2、拡張スロットはPCI-Expressスロット×11という構成。OSがWindows / Linux / VMwareが選択でき、標準で3年間パーツ保証、3年翌日オンサイト保守が受けられる。

パフォーマンスでは、SAP Sales and Distribution(SD) Standard Application Benchmarkで6230をマーク。8ソケットWindowsサーバ環境でNo.1の性能を記録している。

ラックマウント型とブレード型では戦略的な価格付けにより市場への浸透を強化。第2世代「HP ProLiant DL585 G2」と新製品である第5世代「HP ProLiant DL585 G5」を比べると、パフォーマンス比で157%、価格性能比191%と向上させている。また、HP Linuxコンピテンシ・センタを強化し、Linux+AMDコンピテンスセンタを開設。Linuxの各ディストリビュータと連携し、インストール、接続性、ストレージ、クラスタ、バックアップを検証する。

「HP xw9400 Workstation」詳細

日本国内で好調なワークステーションビジネス。そのハイエンドモデルとなるのが「HP xw9400 Workstation」で、計算性能を画像表現で性能を発揮する。ターゲット市場は、放送・プロフェッショナルビデオ編集、アニメーション制作・映画製作、設計・製造、科学技術など。

ワークステーションのハイエンドモデル「HP xw9400 Workstation」

「HP xw9400 Workstation」は、ツールなしでケースやドライブを取り外し可能

クアッドコア AMD Opteron 2356を2基搭載。ヒートスポットが集中しているAMD Opteronを効率よく冷却できる水冷を採用することで、安定稼動と静音性を実現。3.5インチベイ(HDD用)×5、5.25インチドライブベイ×3(FDDで1基使用)、PCI-X 1.0 64bit/133MHz×1スロット、PCI-X 1.0 64bit/100MHz×1スロット、PCI 32bit/33MHz×1スロット、PCI Express PCI Express(x16 メカニカル、x8エレクトリカル)×2スロット、PCI Express x16(グラフィックス用)×2スロットを装備。NVIDIA デュアル 10/100/1000 Ethernet(オンボード)、USB 2.0スロット×8 (フロント×2、リア×6)、内部USB×2、IEEE1394×2(フロント×1、リア×1)を持つ。