春節期間中に前年比30~40%の売上増
「亦得代購」のようなサイトは通常、海外のショッピングサイトと連携しており、それなりの規模のショッピング・ネットワークを形成している。買い手は彼らのサイトを通し、外国のサイトにあるアイテムからどんな商品でも入手できる。
買い手が代金を支払った後、売り手は商品を発送。代行サイトが一定のサービス手数料を徴収するという仕組みだ。もちろん、商品代金には入国時にかかる関税や申告手数料なども含まれている。
消費者から見れば、こうしたサイトの成長は当然良いことであり、中国国内では値段の高い高級ブランド品などを比較的安い値段で手に入れることができる。たとえばルイヴィトンの婦人用ポーチをとってみても、中国国内で市販価格5,000元(約7万5,000円)前後のものが、同サイトを通せば、2,000元(約3万円)近くも安く手に入ったりする。
大都市で、海外のブランド品に憧れる中国人が増える中、聡明で、商機に敏感な人たちが眼前のビジネスチャンスを見いだしたわけだ。ある調査によれば、中国の旧正月である春節期間中に、主なショッピング代行サイトの成約件数と売上高が、いずれも対前年比で30%から40%増加したという。
先払いを要求する代行サイトも
もちろんこうしたサイトによるショッピング代行には、税務問題が絡んでくる。中国の「入国旅客所持品及び個人郵便物に関する関税課税弁法」と「税関法」によれば、国際ショッピング代行サイトで購入された物品も、関税と増値税、消費税の課税対象である。しかしこうしたサイトを使えば、国際物流業者を使って商品を通関させ、しかもサイト側がすべての納税手続きをしてくれる。個人代行業者の場合はまず商品を手荷物の形で中国国内に持ち込み、それから買い手に商品を郵送するのが一般的だが、このようなやり方では、関税を免れることはできるが、厳密には密輸入の疑いがある。そうした意味で、国際ショッピング代行サイトの利用は安全性が高いともいえる。
だが、こうしたサイトを利用する場合も、リスクはともなう。サイトの中には先払いを要求するところがある。また、一部の商品は、輸送日数に一定の時間がかかるため、決済からデリバリーの完了までのサイクルがかなり長くなり、最終的に品物が買い手の手元に届くかどうかは、代行業者の「信用」に委ねるしかない。
しかも、インターネットを通じて商品を購入した場合、購入した商品の大半は購入証明がなく、返品や交換などが極めて難しいとされる。中には、一部の代行業者のように、郵送過程で商品が損傷した場合は一切責任を負わないと堂々と表明している場合すらある。
従って、現状の中国のショッピング代行サイトは、「単に交易プラットフォームを提供した」にすぎず、商品品質などに関しては一切責任を負わないという、かなり消費者にリスクが伴うものといえるのである。