市原隼人主演最新作『神様のパズル』の一風変わった記者会見が20日、都内で行われた。作品のテーマである「宇宙」にちなみ、市原隼人とエグゼクティブ・プロデューサーの角川春樹が"無重力"を体験し、その足で会見場へ駆けつけるという趣向だ。
会場に到着した市原は心なしかげんなりした面持ち。無重力体験について聞かれると「もう絶対二度とやりたくないです! 3回吐きました! 人生でいちばん苦しかった……」と心情を吐露したが、対照的に意気揚々と登場した角川は「またチャンスがあったらやりたいなーと。今度はもっと長時間飛びたいですね~」とにこやかに語った。
市原と角川が無重力を体験したのは飛行機の中。航空機がパラボリックフライト(放物線飛行)を行うことで機内に微少量環境(3×10-2G以下)、いわゆる無重力状態が生まれるという。このときの映像がスクリーンに映し出されると、集まった記者から感嘆の声が上がっていた。
『神様のパズル』は「宇宙創生」をテーマに据えた、落ちこぼれ大学生ロッカーと天才少女の"サイエンスファンタジー・ラブコメディ"。第3回小松左京賞を受賞した機本伸司著の同名小説が原作だ。角川は「この原作を読んだのは、無重力体験ならぬ獄中体験の中でした。人間はなぜ生まれてどこへ帰って行くのか、そういう原始的なことを追求した青春映画を作りたいなと思ったんです。それが実現して今は感無量ですね」と、司会者が少々絡みづらいコメントを織り交ぜながら挨拶。
市原も「インドでも撮っていたりとスケールが大きいけど、一つ一つのストーリーがちゃんと確立してる。何度リピートしても深いところまで入っていける作品ですね。この作品に携われて本当に嬉しいです」。
「UFOを見たことがありますか」ときかれ、「それはもう、日本で一番最初なんじゃないかと。3歳のときにベランダで呼ぶ声がしましてね、見上げるとアダムスキー型が7機と……」と延々UFO談義が繰り広げられた |
市原にもUFOの質問が飛んだが「ノーコメントです(笑)」と一蹴 |
監督を務めるのは『クローズZERO』、『妖怪大戦争』などの三池崇史。角川と三池はキャスティングの段階で「宇宙のことなんかわからない、もっとも遠いヤツをガイド役に据える」という方向性を決め、そこで白羽の矢が立ったのが市原だった。「落ちこぼれでロッカーで寿司屋の店員、そういう役どころに市原はぴったりだった。演技に舌を巻いたね」と主演俳優を絶賛した。
ヒロインの孤独な天才少女を演じるのは谷村美月。「芝居に入ると集中力がすごい」とは市原談。ラブコメディだけに、プライベートでも進展はなかったのかと質問が飛ぶと「仲良くなったと思ったら、撮影が終わっちゃいました(笑)」と少し残念そうに答えた。
主題歌を歌うASUKAも登場し、ミニライブを披露した |
『神様のパズル』は6月7日、全国東映系でロードショー。