左からアンドリュー・アダムソン監督、ウィリアム・モーズリー、ジョージー・ヘンリー、ベン・バーンズ、マーク・ジョンソン

映画『ナルニア国物語 第2章 カスピアン王子の角笛』のキャストが21日の公開を目前にして、19日に都内で会見をおこなった。今回主役のカスピアン王子を演じるベン・バーンズをはじめ、ルーシー役のジョージー・ヘンリー、ピーター役のウィリアム・モーズリー、アンドリュー・アダムソン監督、製作のマーク・ジョンソンが壇上に登場した。

物語の舞台は、ナルニア暦2303年。前作『ナルニア国物語 第1章 ライオンと魔女』の時代から1,300年余りがたち、ルーシーたち兄妹の統治による黄金時代はとうに終わりを迎えていた。戦闘民族のテルマール人という新しい敵に支配されるナルニアは、暗黒時代の真っ只中。"魔法の角笛"に導かれ、ナルニア国に舞い戻ったルーシーたち兄妹は、苦境に立たされた王子・カスピアンと出会う。そして、ナルニアに平和をもたらすために共に戦うことを誓うが、その戦いは困難を極める――。

ニューヒーロー、ベン・バーンズはイギリス生まれの26歳。本国で数々の舞台を経験し、映画は本作で2度目。大役を射止めて思ったことは、「8歳の自分が、初めてナルニア物語を読んだときのイメージを伝えようということ。カスピアン王子はハリウッド映画の典型的な王子ではなくて、自分の立場や責任の重さにとまどっている。その点がこの役をもらったぼくと同じ」。知的で美しく、真摯に質問に答える様子は、まさに"王子"の風格そのもの。"王子好き"でなくとも、これからの活躍を期待せずにはいられない俳優といえるだろう。

会場の女性陣がもれなく目を奪われた美貌の王子様、ベン・バーンズ

前作からおなじみの、ジョージーはカットソーにジーンズというカジュアルないでたちながら、大人っぽくなった印象。「こういう記者会見は緊張するわ」と言いながらも、ときどきユーモアを交えハキハキと答える様子は、12歳にして完全に女優のものだった。「初めて映画の現場に入ったときより、今回、2度目の作品に出るときのほうが緊張しました。けれど、顔なじみの人に会ったときは本当にほっとしたの。兄さん役のウィリアムとは本当の兄妹みたい。私たちの間には絆が生まれていると思います。それに彼は私を甘えさせてくれるから大好きなんです」とニコニコしながら話した。続編ならではのなごやかな現場の雰囲気が伝わってきた。

本当の兄妹のようなジョージーとウィリアム。フォトセッションのときもずっと手をつないでいた

見どころのひとつに挙げられるのは、新しく登場するカスピアン王子とルーシーの兄・ピーターとの葛藤。二人が直接ぶつかりあうシーンもあり、監督は彼らのライバル心をあおる"コツ"があったことを教えてくれた。「ピーター役のウィリアムの剣は中世のタイプで、カスピアン王子のベンの方はスパニッシュタイプの少し長い剣。そこでカメラを回す前に、『ベンの剣の方が長くない?』と二人にわざと言う。そして撮影を始めると本当にいいシーンが撮れる。これは役に立つトリックだったよ(笑)」。

会見の後半には、タレントの関根麻里が"ナルニア国案内人"としてルーシーの衣装を着て登場した

ウィリアムは、「前回は自分にとって初めての映画で、素の自分を出していた。でも、今度はぜんぜん違う。ピーターは怒りを心に秘めて、アンチヒーローになっているんだ。アクションシーンのために3カ月半トレーニングをして撮影に臨んだよ。10回目の撮り直しでも1回目と同じようにシーンを演じられるよう準備したんだ」と撮影を振り返った。

テレビカメラに向かってサービス。ジョージーは勢いよく身を乗り出しすぎて転びそうになっていた

『ナルニア国物語 第2章 カスピアン王子の角笛』は5月21日より東京・丸の内ピカデリー1、渋谷ピカデリーほか全国ロードショー