Mozilla Foundationは16日 (米国時間)、WebブラウザFirefoxの次期バージョン「Firefox 3.0」のリリース候補第1版 (RC1) を公開した。対応プラットフォームはWindowsとMac OS X、Linuxの3種。サポートされる言語は46種、日本語版バイナリパッケージの提供も開始されている。
公開されたFirefox 3.0 RC1は、コード名「Gran Paradiso」として開発が続けられてきたFirefox次バージョンのリリース候補。検証を目的としてWebデベロッパやコミュニティに公開するもので、品質基準を満たしたと判断された後に正式リリースされる。
Firefox 3.0は、HTMLレンダリングエンジンに「Gecko 1.9」を採用。33ヶ月という開発期間を経てリリースされるこのエンジンは、14,000を超える改良によりレンダリング性能や安定性が向上した。デバイス非依存のグラフィックスライブラリ「Cairo」が取り入れられたことにより、PDFやSVGのサポート強化を含めたベクター画像の描画性能もアップ。JavaScriptエンジンの最適化も進展、Google MailやZoho OfficeといったWebアプリケーションの処理速度は、Firefox 2.0系と比較して2倍以上高速化されている。
ユーザビリティも向上。文字と画像を同じ縮尺でズームイン / アウトする「フルページズーム機能」や、SQLiteを活用したた新しいブックマーク / 履歴管理システム「Places」、改良されたアドオンマネージャなど、多くの新機能が追加されている。偽装サイトやマルウェアから保護する機能など、セキュリティも強化された。
現時点でFirefox 3.0 RC1には、Firefox 2と同じディレクトリにインストールするとFirefox 2が不安定になる問題や、パスワードの保存を確認するダイアログの消去後にフォーカスが戻らなくなる問題など、いくつかの不具合も確認されている。なお、Firefox 3.0公開の具体的な日程は明らかにされていないが、重大な問題が発見されないかぎり6月中に正式リリースされる見込み。