東京・お台場のソニー・エクスプローラサイエンスでは、5月17日から企画展「Impossible World(インポッシブルワールド)」(~7月6日)を開催する。目の錯覚である"錯視"や"騙し絵"をテーマに、人間が3次元の空間をどう知覚しているのかを体験できる注目の企画展だ。
3月19日に発売されたプレイステーション・ポータブルの錯視パズルゲームソフト『無限回廊』とプレイステーション 3版の『無限回廊-序曲-』は、錯視をテーマに、5つの不思議な世界が絡み合って織り成す奥深いパズルゲームとして人気を博している。今回、ゲームの発売を記念して行われるのが、企画展「Impossible World(インポッシブルワールド)」だ。視点を変えることで現実の形とは異なった形に見えたり、一見ありえないと思えることが成立するなど、騙し絵のほか様々な展示物を通して、常識を覆す法則が支配する『無限回廊』のような世界観を再現している。では、展示物の一例を紹介しよう。
大人気を博している錯視パズルゲームソフト『無限回廊』(¥3,980)とPLAYSTATIONRStore にてダウンロード販売中の『無限回廊-序曲-』(¥1,800) |
『降りる階段の通路』は、近くのものは大きく見え、遠くのものは小さく見えるという遠近法の性質を利用して作った通路。入口から覗くと下に降りる階段が続いているように見える。実際、階段は平坦な床の上にあり奥行きもそれほどない。
天井も床も傾き、右と左で奥行きが違う変形の部屋『エイムズの部屋』。壁の穴から覗くと、普通の四角い部屋に見えるが、両側に人が入ると大きさが変わっている感覚に陥る。
絵では表現できても、実際に作ることができない「不可能物体」を、あるトリックを使って杉原厚吉氏(東京大学大学院情報理工学系研究科数理情報学専攻 教授)が作成した「へんな立体」を展示。不可能に見える視点は1カ所しかないので、よく観察してみよう。
錯視や不可能物体等を用いた新しい表現を研究して注目を浴びているアーティスト・藤木淳氏の作品も見どころ。『無限回廊』の元にもなったインタラクティブだまし絵システム『OLE Coordinate System』、体験者が不可能物体内を自由に歩き回る新錯覚体験システム『inPossible』、だまし絵積み木モデリングソフト『incompatible BLOCK』、3次元的に振舞う2次元キャラクターと空間をつなぐ穴『theHOLE』などが展示される予定だ(期間中コンテンツの入れ替え有り)。