パイオニアは8日、5.1chサラウンドシステム「HTZ-373DV」を発表した。発売は5月下旬を予定しており、価格はオープン。市場価格は5万円前後と予想される。

デュアルセンタースピーカーの採用で、さらに設置性がアップした「HTZ-373DV」。1080pへのアップスケールも可能

同製品は、HTZ-363DVの後継となるサラウンドシステム。DVD/CDレシーバーと、フロント/センター/サラウンドスピーカー、そしてサブウーファーが組み合わされる。

最大の特徴となっているのが、センタースピーカーを左右の2台とするデュアルセンタースピーカーの採用。従来の、センタースピーカーが1台のサラウンドシステムでは、薄型テレビなどと組み合わせて設置する際に、センタースピーカーの置き場所に苦労した。テレビの前に設置すると、テレビのスタンドと干渉したり、テレビの各種インジケーターや、リモコンの受光部を覆ってしまうというケースもある。かといってテレビの横に設置したのでは、音像が崩れてしまうことになる(プロジェクターの場合、スクリーンの後ろに配置してしまえば良いので楽なのだが)。これを左右の2台に分割することで、テレビの両サイドに無理なく設置することが可能となっている。

また、480pの映像信号を1080p信号までアップスケーリング可能なビデオスケーラーを搭載。1080p入力に対応したHDMIを搭載するテレビと組み合わせることで、DVDなどの映像を、より高画質で楽しむことが可能だ。

従来モデル同様に、5.1chのリアルサラウンドをフロントのみで実現する「フロントサラウンド・アドバンス」機能も搭載。一般的なサラウンドでは、サラウンド用のスピーカーはリアに設置するが、そこまで引き回すスピーカーケーブルが邪魔だったり、リアにスピーカーを設置するスペースがないといったケースも多く、なかなか理想的な配置は難しい。かといって、フロントの2本あるいはセンターを加えた3.1本でのバーチャルサラウンドでは、サラウンド感が得られる範囲が狭かったりとなにかと問題がある。同製品では、5.1ch分のスピーカーが付属するリアル5.chシステム(センターは2台なので、実際には7本のスピーカー)。これらのスピーカーをすべてフロントに配置しても、リアルなサラウンド感を得られるというのがフロントサラウンド・アドバンス。フロントサラウンドにもいくつかの方式があるが、フロントサラウンド・アドバンスは、反射音を使用せずに、スピーカーからの直接音のみでサラウンド再生を実現する仕組み。部屋の環境に左右されにくいだけでなく、再生するソースの周波数特性ではなく、音圧の差のみをコントロールするため、ソースのイメージを損なわない自然な再生が可能というものだ。また、セッティングも、同社独自の自動音場補正システム「MCACC」により、簡単に行うことが可能だ(付属の測定用マイクをセットして、MAACCのボタンを押すだけ)。

「HTZ-373DV」のおもな仕様
DVD/CDレシーバー部
入力端子 光デジタル入力×1/アナログ×1
総合最大出力 360W(60W×6)
消費電力 50W(待機時消費電力:0.25W)
サイズ 420(W)×60(H)×335(D)mm
質量 2.7 kg
フロントスピーカー部 / センタースピーカー部 / サラウンドスピーカー部
型式 密閉式ブックシェルフ型、防磁設計(JEITA)
使用ユニット 6.6cmフルレンジ(コーン型)
再生周波数帯域 82Hz~20kHz
最大入力 フロント/サラウンド:60W(JEITA) / センター:30W(JEITA)
サイズ 96(W)×96(H)×96(D)mm(背面はラウンド構造)
質量 0.44 kg
サブウーファー部
型式 バスレフ式フロア型
使用ユニット 16cm(コーン型)
再生周波数帯域 34 Hz~1200 Hz
最大入力 60W(JEITA)
サイズ 216(W)×391(H)×393(D)mm
質量 5.5 kg