Booksベストセラー週間総合ランキング4月25日~5月1日では、『あいのり(10)』、『ヘキサゴンドリル(2)』、『アイム・ファイン』(大川隆法)、『楊令伝(5)』(北方謙三)、『その時までサヨナラ』(山田悠介)の5タイトルが新登場でトップテン入りし、変動の大きな週となった。

4月25日~5月1日のBooksベストセラー週間総合ランキング(日販調べ)

順位 書籍名(出版社) 著者
1位 夢をかなえるゾウ(飛鳥新社) 水野敬也
2位 B型 自分の説明書(文芸社) Jamais Jamais
3位 あいのり(10)(学習研究社)
4位 A型 自分の説明書(文芸社) Jamais Jamais
5位 ヘキサゴンドリル(2)(扶桑社)
6位 アイム・ファイン(幸福の科学出版) 大川隆法
7位 楊令伝(5)(集英社) 北方謙三
8位 ダーリンは外国人 with BABY(メディアファクトリー) 小栗左多里/トニー・ラズロ
9位 その時までサヨナラ(文芸社) 山田悠介
10位 ホームレス中学生(ワニブックス) 田村 裕

新登場3位の『あいのり(10)』は、独身男女が世界中をワゴン車で巡りながら恋愛成立を目指す同名の人気テレビ番組から生まれた書籍。旅に参加したメンバーによる当時を振り返っての裏話や後日談などが収められている。

5位の『ヘキサゴンドリル(2)』は、「おバカタレント」なる新しいジャンルを生み出した人気番組「クイズ! ヘキサゴンII」で実際に使われた問題をまとめた問題集の第2弾。番組で飛び出した珍回答集のページを読むと笑えるが、いざ実際に問題を解いてみると以外に難問で、「楽しみながら雑学が身に付く」と評判。

6位の『アイム・ファイン』(大川隆法)は宗教法人幸福の科学総裁による「元気をくれる自己啓発エッセイ」というふれこみの人生論。

7位の『楊令伝(5)』(北方謙三)は『小説すばる』にて連載中の中国歴史小説。『水滸伝』の続編として書かれている本作は、馴染みがなく取り付きにくい観のある題材を平易な言葉遣いや台詞回しで描いており、読者が物語に入っていきやすいのが特徴だ。

9位の『その時までサヨナラ』(山田悠介)は、少し謎めいた雰囲気の漂う小説。離婚目前で別居中だった妻が4歳の息子を残して突然列車事故で亡くなる。取り残された主人公はなつかない息子を義理の両親に預けようとするが、妻の親友がそこに現れたことから事態は展開を見せる。主人公の人間としての成長と謎解き要素とが絡み合い独特の世界を描き出す。

今週の注目

江戸屋敷三〇〇藩いまむかし (実業之日本社/青山誠/1,500円(税別)

江戸は世界一人口の多い都市だったと伝えられる。江戸自体約260年間、とにかく江戸はにぎわった。18世紀には100万人が江戸で暮らしていたとされ、当然住宅もぎっしりと建ち並んでいた。町人も多かったが、武士も多かった。なんといっても、大江戸八百八町には300もの大名諸侯の屋敷があったのである。しかもそれぞれが上屋敷・中屋敷・下屋敷など幾つも屋敷を持っているため、江戸は武家屋敷だらけであった。しかし、ビルに覆われた現代の東京ではなかなかその雰囲気を感じることはできない。

だが本著を読むと、そんな東京で江戸を見付けることができるのだ。この本では現代の東京で名所となっている大名藩邸跡を紹介しており、現在の様子と当時ゆかりの話などを紹介している。藩邸跡の多くは近代的な建物に姿を変えているが、中には今も当時の姿を残す庭園として多くの人に安らぎを与えているものも幾つかある。明治神宮の庭の奥にある加藤清正が掘らせたという井戸からは今もこんこんと清水が湧き出ており、変わるものと変わらぬものを感じさせてくれる。

さらに本著では吉良邸から泉岳寺までの赤穂浪士引き上げルートの解説が特集されており、忠臣蔵ファンにも興味深い一冊となっている。読むだけではなく、実際に現地に行ってみたいと思わせてくれる歴史ガイドブックと言えよう。巻末には江戸時代末期の大名屋敷の位置が現在のどこに当たるかの一覧表が収められている。