東京富士美術館は5月3日、歴史と文学の両面から三国志の世界を紹介する展覧会「大三国志展」を開催する。開催期間は7月13日までで、入場料は大人1,200円、大学・高校生は800円、中学・小学生は400円となっている。
三国志は、今をさかのぼること1800年前、中国大陸を三分して覇権を争った魏(ぎ)・呉(ご)・蜀(しょく)の三国にまつわる物語。劉備・関羽・諸葛亮などの名前は三国志に詳しい人でなくても一度は耳にしたことがあるはず。地位の高い人物がある人を礼を尽くして迎え、しかるべき地位に付けることを指す「三顧(さんこ)の礼」の語源が三国志の劉備の行動にあるなど、日本にも三国志の影響は浸透している。
そんな三国志の魅力を圧倒的なスケールで展示する「大三国志展」は、大きく2部構成になっており、「三顧の礼」、「赤壁の戦い」といった有名な場面を描いた文学や絵画の世界を紹介するコーナーと、当時の武器や生活などを伝える貴重な考古出土品を展示するコーナーに分かれているという。
「大三国志展」 |
文学や絵画の世界を紹介するコーナーでは、中国の明・清時代の美術工芸品や日本美術の名作をはじめ、三国志ゆかりの地の風景映像なども活用して魅力ある英傑たちの人間像とストーリーが紹介されているという。一方、出土品を展示するコーナーでは、遺跡や墓から出土した刀剣や"やじり"などの武器、金印や装身具、副葬品などの貴重な品々を展示。英傑たちの息づかいが感じられるような品々を通して、歴史上の三国時代に迫っている。
今回の「大三国志展」では、中国全土から約150点が出品されており、そのうち約3分の1が日本の国宝にあたる国家一級文物だという。さらに国内の博物館が所蔵する三国志関連作品約60点ほかを加え、総点数220点の展示物をそろえて三国志ファンを迎え撃つ。きっとあなたも三国志の世界の奥深さとスケールの大きさに圧倒されるに違いない。
また、この「大三国志展」の開催に先立って、2007年11月に開設された「大三国志展ブログ」にも注目が集まっている。同ブログでは、「館長」「三国志研究者」「三国志愛好家」の3人が書き手として参加。それぞれ異なった視点と立場から三国志を紹介・解説しており、史実マニアから三国志を題材にしたゲームや小説のファンまで多様な読者に三国志の魅力を伝えている。他にも、地理的なウンチクや英傑に関する考察、さらに東京富士美術館へのアクセスなど、3人の書き手がそれぞれの持ち味を生かしたコンテンツを執筆している。同館では、「ブログを通して、大三国志展をさらに楽しく有意義にお楽しみいただければと思います」と話している。