フィンランドのFuturemarkは4月28日(現地時間)、3DMarkシリーズの最新版「3DMark Vantage」を発表した。DirectX 10世代以降の専用ベンチマークテストとなり、新機能としてCPUとGPU以外に物理演算プロセッサや最新ハードウェア群をサポートする。4つのフルテストモード(CPUテスト×2+GPUテスト×2)と6つの機能テストから構成され、ベンチマークオプションとして4つのプリセットを選択できる。
「DirectX 10とマルチコアCPUのパフォーマンスを計測するゲームプラットフォーム向けベンチマーク」と銘打たれているように、Vantageでは従来バージョンの3DMark 06と比較してよりハイエンドなシステムが要求されている。対応プロセッサはIntel Core 2 Duo E660以上、またはAMD Athlon X2 6000+以上。GPUはDirectX 10フル準拠のハードウェアで、SXGA以上の解像度を持つモニタが必要になる。対応OSはSP1適用済みのWindows Vistaで、同OSが要求する最低メモリ、1GB以上のHDDスペースが要件とされている。CPUのマルチスレッド処理やGPUを使った物理演算シミュレーションのほか、専用の物理演算プロセッサを用いたベンチマークテストが可能。DirectX 10に合わせて、FuturemarkはVantageのレンダリングエンジンを新たに書き起こした。
Vantageに含まれるベンチマーク群は、GPUテスト2種類(Jane Nash、New Calico)とCPUテスト2種類(AI、Physics)、そしてグラフィックの基本性能を測る6つの基本テストの計10種類。GPUテストでは多数の静的/動的オブジェクトの表示ほか、処理負荷の高いフィルタ群、水面反射効果などの物理演算が盛り込まれている。CPUテストでは、AIを駆使して数多くの飛行機を飛行させたり、あるいは煙をたなびかせた飛行機同士が衝突する様を物理シミュレーションさせる。また従来の3DMarkでは標準設定で1つのプロセッサオプションのみだったが、Vantageでは新たに4つのプリセット(Entry、Performance、High、Extreme)が標準オプションとして用意されており、テスト環境に応じて適切なプリセットを選択できるようになった。
製品版はBasic、Advanced、Professionalの3つのバージョンが用意されている。BasicとAdvancedは非商用利用が前提のバージョンで、価格はそれぞれ6.95ドルと19.95ドル。同社のサイトからダウンロード可能。Basicは機能限定版となっており、一部機能制限がある。Advancedではフル機能にアクセスできるほか、29.95ドルでCD-ROM版の入手が可能。このほか非商用版として、1回のみの無償利用が可能なFree Trial Editionも用意されている。Professionalは商用利用を前提としたバージョンで、機能的にはAdvancedと同等。ダウンロード版とCD-ROM版ともに495ドルとなっている。