日本AMDがユーザーイベント『AMDプラットフォームで地デジも見れる!?』を開催した。リビジョンチェンジや新モデル追加があったばかりの「AMD Phenom」をメインに、まさに今が"旬"な地デジパーツとの組み合わせまで……というホットなイベントだったこともあり、会場となったリナックスカフェ秋葉原店は多数の熱心なユーザーで埋めつくされていた。
当日はピクセラ、アイ・オー・データ機器、バッファローが地上デジタルに対応する拡張カードを披露したほか、オーバークロックワークスによるAMD Overdriveを利用したオーバークロック指南、市川ソフトラボラトリーによるHDフォトに関するセッションなどがイベントを盛り上げた。
オーバークロックワークスがAMD Overdriveを利用したPhenom X4 9850 Black Editionのオーバークロックを指南。ちなみに機材は"兄貴"土居氏の私物とのことで、兄貴もドキドキ |
そんななか、最も来場者の目を引いていたのが日本AMDによるメインセッション『3つのメガネが解説「AMDプラットフォーム"nagara"デモンストレーション」』だ。今回のイベントのテーマでもある"nagara"について、同社の最新プロセッサの利点が次々と紹介された。ちなみに、"3つのメガネ"とは、日本AMDの兄貴こと土居憲太郎氏、森本竜英氏、佐藤美明というメガネ男子(?)の3人。この"nagara"とは、地デジを見"ながら"とか、エンコードをし"ながら"といった、"ながら作業"を意味しているのだそうだ。
デモではトリプルコアのPhenom X3を使って、画像データのRAW現像をしながらフルHD映像の再生したり、地デジを視聴しながらバックグラウンドで動画のエンコードやMP3エンコードを行ったりと、複数タスクの実行がスムーズに行えることが紹介された。デュアルコアのAthlon 64 X2とも比較しつつ、「デュアルコアのパソコンに、さらに地デジパソコンがくっついているようなもの」(佐藤氏)と説明し、トリプルコアの威力をアピールする。
AMD 780Gのローカルフレームバッファ(ディスプレイキャッシュ)の解説も。デスクトップではパフォーマンスアップにのみ目が行きがちだが、これは本来、メモリコントローラーを内蔵するAMDプロセッサならではのモバイル向けのパワーセーブ技術だったのだとか。参考までに、パフォーマンス等々に関してはこちらの記事でも詳しく紹介している |
またセッション内にて、これまでOEM向けのみに提供されるとしていた低消費電力版のPhenom X4である「Phenom X4 9100e」を、リテールパッケージで自作ユーザーにも提供すると発表。ちなみに、これは日本国内限定、かつ数量限定での発売なのだそうだ。会場では早速Phenom 9100e+AMD 780Gを組み合せた実機でのデモンストレーションも実施され、アイドル時で66W前後、RAW現像の処理中で75W前後、その処理中にさらにHDコンテンツを再生しても88W前後という低い消費電力が披露された。同製品のTDPは65Wで、動作周波数は1.8GHz、発売は4月29日だ。