一方、マイナーチェンジ版の"TDS3000Cシリーズ"は、従来のTDS3000Bシリーズとほぼ同じ基本性能と操作感を保ちながら、外部記憶インタフェースをUSB 2.0ホストポートに変更した。TDS3000Bシリーズでは外部記憶インタフェースにFDDを使用していた。1999年発売の製品としては当然の仕様だがその後、パソコンの標準インタフェースの変化によってフロッピーディスクがほとんど使われなくなってしまった。そこで現在普及しており、簡便なデバイスであるUSBメモリに外部記憶を変更した。

それ以外は、意図的にTDS3000Bと同じ操作感覚にしてある。TDS3000Cに置き換えても、ユーザーが以前と同様に操作できることを狙った。製造ラインのテストや保守現場での検査などを想定し、わざと変更しなかったと日本テクトロニクスは説明していた。実際にフロントパネルを比較しても、操作パネルのボタン配置はTDS3000BとTDS3000Cでの違いが記者には分からなかった。またバッテリをオプションで用意しているのも、TDS3000Bと変わらない。

TDS3000BシリーズのTDS3032Bのフロントパネル

TDS3000CシリーズのTDS3054Bのフロントパネル

TDS3000Cのシリーズ共通仕様は波形メモリが1万ポイント(全チャンネル)、波形更新速度が3600回/秒(全チャンネル)で、これもTDS3000Bと変わらない。本体の外形寸法は幅375mm×高さ176mm×奥行き149mm、本体重量は3.2kgでこれも同様である。TDS3054Cのハンドルを持って手から下げてみたが、下げたときの軽さと安定感もTDS3000Bと同じように感じた。

TDS3000Cシリーズ(左)とDPO3000シリーズ(右)を並べたところ

TDS3000Cシリーズには、最大サンプリング速度(周波数帯域)とチャンネル数の違いで6機種がある。1.25Gサンプル/秒(100MHz)の2チャンネル機「TDS3012C」が51万8,000円、4チャンネル機「TDC3014C」が62万4,000円、2.5Gサンプル/秒(300MHz)の2チャンネル機「TDS3032C」が75万4,000円、4チャンネル機「TDS3034C」が90万4,000円、5Gサンプル/秒(500MHz)の2チャンネル機「TDS3052C」が108万円、4チャンネル機「TDS3054C」が128万円。なお最大サンプリング速度は全チャンネルでの値である。